内容説明
「愚かな戦争を終わらせるために、われに英雄的な死を――」
たくらみに満ちた異世界ファンタジー!
世界を総べる超大国〈象の胃袋〉は同盟諸国を率いて砂漠の小国〈朱雀の翼〉に宣戦布告し、たちまち国土を占領した。
〈朱雀の翼〉の指導層は地下に広がる迷宮都市に潜伏してゲリラ戦を展開。
そんな中、同盟国の一つ〈銀の狼〉のクレーメル少尉は〈象の胃袋〉軍の一隊を突如攻撃した。
婚約者を〈象の胃袋〉の貴族に奪われ、やけになって死に場所を求めたのだ。
案の定、軍法会議で死刑を宣告されるが、処刑の直前、忠実なる従僕ムルカとクレーメルの頭の中に突然飛び込んできた〈弟〉の超能力によって救われる。
人間たちが誕生するはるか以前から、〈弟〉たち〈兄弟〉は〈父〉のために〈母〉が支配する(姉妹)たちと闘ってきた。
ほかの生物の身体に憑依し、その意思をのっとり、あやつることができる〈兄弟姉妹〉は、仮の姿で果てしない戦いを続けていた。
〈兄弟姉妹〉の戦いに巻き込まれながら、〈弟)の力を借りて〈象の胃袋〉に立ち向かい、婚約者サリーネの奪回を目指すクレーメルの冒険の行方は?
壮大なスケールで展開される異世界ファンタジー!
【大森望氏推薦!】
「研ぎ澄まされた多声的(ポリフォニック)な“語り”と圧倒的なスピード感。ハイファンタジーの分野に颯爽と登場した大型新人作家を見逃すな。」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん
23
ううう、恐るべき大森葉音先生。カラオケがすっげうまいミステリー評論家だと思っていたが、このような異界を描いていたとは。「朱雀の翼」や「象の胃袋」などの国がある砂漠の世界。テーマは戦争とそれに巻き込まれる人々である。地下に潜伏して秘密の食べ物で生き延びる国。この戦争を操る父と母、兄弟姉妹。荒唐無稽であるが、戦争自体が巻き込まれる人間にとってへ荒唐無稽で意味不明のものではないだろうか。そして!異形の家来少年兵ムルカ。このような部下の存在が谷崎っぽくて、きゃーどうしよう!と(谷崎読書会でヘンタイスイッチが!)2018/06/07
深青
11
もしや下敷きは、日本神話ですか?この双子の塔はあれですか?この国はもしや?なんて、あてこれ現実世界に当てはめながら読みました。国の名前が結構特徴的で面白かったです。これもなにか隠喩だったりするのかしら?たまにツッコミ所があったり、急にシリアスになったりで…このお話、どこへ行くのかしら?と思いつつ読了しました。2014/06/23
林檎依存症
8
処刑されようとしていた小国の少尉・クレーメルをはからずも救ったのは、<弟>と呼ばれる存在。はるか昔から<兄弟>と<姉妹>は、人間やその他生物を操り、戦ってきたという。利害の一致により、クレーメルは<弟>に身体を預けるが――。なにそれひどい…というのが読後まず思ったこと。プリームとか<地の塩>族について、もっと掘り下げて欲しかった。主人公の未練がみっともなくて、<弟>とかサリーネ、イーベラにもなんだか嫌悪感が拭いきれない。ただただ少年兵ムルカに萌えるだけのお話。だというのにあの結末…ああ…2014/01/27
こた。
6
半ばお祭り気分的な理由で購入。あまり期待してなかったんだけど(失礼)面白かった。異世界ファンタジー。イマドキのラノベのようなキャラクター設定?個性?と異世界ものと思惑の重なり。描くベン図はまるで曼荼羅のようにうつくしく。あ、今気がついた。手袋か。2013/11/08
Majnun
6
ミステリ評論家大森滋樹氏の作家デビュー作「果てしなく流れる砂の歌」は、昨日読み終えて、今は異世界への旅の余韻と、その後の彼らの行方に思いを馳せている。 本作は大森葉音(ハノン)名義のハイ・ファンタジー作品。 ハイ・ファンタジーは、作品の中に世界を創作するからどうしても説明が多くなる。 だから長い作品が多い。 最近だと貴志祐介の「新世界より」が三部構成。 海外のものは三巻ものの三部構成の計九巻というのが多い。 だからこの作品も前半少し窮屈な感じに展開していくが、7章の異世界の将棋のシーンから断然面白くなっ2013/10/30
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