内容説明
角田光代が読んだ、至福の350冊!
「本のなかに書かれた言葉、そこで起きたできごと、そこで生きる人々、そこに漂う空気を五感と感情で体験すること、それが、本を読む、ということなのだ」
心に残る、あの本この本を、なんと350冊! 直木賞作家・角田光代のとびきりの読書案内。
全三章の構成。
第一章「物語に出合う」――少女時代に読んだ『長くつ下のピッピ』『100万回生きた猫』から、太宰治・林芙美子・開高健・向田邦子、そして大島弓子・岡崎京子の漫画作品までを愛をこめて描く、感動的なエッセイ16篇。
第二章「心に残る、あの本この本」――ジョン・アーヴィング、イーユン・リー、ベルンハルト・シュリンク、ミランダ・ジュライから井上荒野、伊坂幸太郎、江國香織、奥田英朗、桐野夏生、佐野洋子、橋本治、吉田修一、綿矢りさ、など、小説からエッセイ、ノンフィクションまで、多彩な作品を語る書評(感想文)。読むだけで思わず本屋さんに走りたくなる、熱い読書案内60本。
第三章「わたしの読書日記」――2007年秋から2018年夏までの幸福な読書の日々を描く29篇。まさに〈本がわたしを呼んでいる!〉。
*
《どこでも本を読む。ソファでもベッドでも風呂でもトイレでも読む。
外に出るときも鞄に本を入れる。入れ忘れると途方に暮れる。
旅に出るときも日数に合わせて何冊かの本を持参する。
この本の冊数選びを間違うと、これまた旅先で途方に暮れる。》――「あとがき」より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
280
角田 光代は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者が読んだ至福の350冊の書評集、共読本も多く親近感が湧きました。著者が沢山の本を読みながら、読んでる端から内容を忘れていくのも一緒です(笑)今後も角田 光代を読み続けたいと思います。 https://www.shogakukan.co.jp/books/093887702020/08/14
のぶ
126
読書欲を刺激される本だ。角田さんの読んだ本の書評、エッセイ、読書日記がそれぞれ分けて収録されている。紹介されている冊数は凄く多くて350冊が収録されているらしい。それぞれの本の内容がとてもうまく纏められて、さすが作家の書評だと思った。ジャンルも広くて、漫画から海外の純文学まで多岐に渡っている。特に驚いたのは、後半に収められている読書日記。読んでいる数も半端じゃないが、ほんの数行でその本に魅力を切り取っている。そして内容の批判を一切せずに、良いところだけを纏めていた。これからの読書の参考になるだろう。2020/08/23
Ikutan
86
角田さんの読書案内。いつもながら選び抜かれた言葉に角田さんの真摯な姿勢が伺え、また読みたい本が増えてしまう。井上荒野さん、桐野夏生さん、吉田修一さんなど大好きな作家さんの作品が共読で嬉しいし、猫村さんやたかぎなおこさんのエッセイも読まれていて、なんだかニンマリしてしまう。人は、生まれながらにしてその人ではなく、生きていくことによってその人になっていくのだと言う角田さん。だったら、読んだ本はその人の構成成分のひとつになるはず。その一部を共有できるって素敵なことですね。そんな軌跡的な出会いに感謝したいと思う。2020/09/21
ムーミン
80
いきなり「真に出会うと」「私は『真実』を読む」を読んで、深いと感じました。読みたい本をリストにあげました。2020/09/29
けぴ
73
あとがきに良い一文がある。「本を読むことは中身を暗記することではない。本のなかに書かれた言葉、そこで起きたできごと、そこで生きる人々、そこに漂う空気を五感と感情で体験すること、それが、本を読む、ということなのだとはじめて知った。その体験に、自分が本を読んでいる、という現実での体験も加わる」〜本文は角田光代さんの読書遍歴がわかりファンとしては嬉しい。自分が読んだ本を角田さんがどのように読んでいるかを確認した。2021/09/25
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