講談社文庫 さすらい波太郎 房州沖純情

著者名：高橋治【著】

講談社（2020/07発売）

• ISBN：9784061849235

内容説明

海を愛するがゆえの痛烈な釣り客批判！　名人・波太郎の恋と冒険の武者修行の船出！　――「釣りの腕では誰にも負けぬ」と自信たっぷりの「四本竿の波太郎」の船へ現れた美女は、沖泊り源平の娘・暁子だった。源平からの挑戦を受けて立った波太郎は、故郷・千葉の港から、各地の名人を訪ねる修行の旅に出る。目指すのは、東京湾の対岸から小坪。暁子との再会は、思わぬ展開となった。痛烈な文明批評にあふれた海洋譚！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ワッピー]

竹岡の鯛釣り漁師「四本竿の波太郎」第1巻。伝説の釣り師「沖泊り源平」を追って放浪の旅へ。その胸中にあるのは名人の意地か、源平の娘暁子への慕情か。海を汚染するモラル無き釣客や釣り具メーカー、国の無策への批判、魚のうまい食べ方を織り交ぜながらの饒舌文体で物語は西へ。主要エピソードは留学時代のアメリカでの釣り対決・小坪の名人田崎の見突き、腰越の越中市のスズキ釣りです。それにしても、アメリカのホストファミリーのゲーブル氏のダンディズムには脱帽です。

2015/09/22