内容説明
人も住まない山里の奥に、舞台に立てなくなった役者達が行く、役者の姥捨山があるという。月夜の晩には、骨がまた肉体をとり戻し、大木の下で語り合う……。芸道に憑かれた者の闇路を描く表題作ほか12編を収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
幻の山に役者は眠り、少年は連翹の村で老婆と出会う。生きながら死んでいる元人妻…。短編集で一貫したテーマはないが、それが却って絢爛、郷愁と著者の世界が余すところなく収められているように思える。白眉は何と言っても「狐の鼓」。老婆と少年の出会いを描いただけの作品であるが、全編連翹の黄に包まれたような感覚が、老境に差し掛かろうとした主人公の郷愁と相まって忘れがたい印象を残す。他にも役者の業を描いた「弄月記」純然たる恐怖小説「魔」「シロップの中の金魚」等、著者独特のこの世ならぬものを垣間見れる作品ばかりでした。2023/09/13
青蓮
53
短編12編収録。赤江瀑さんの作品は芳醇なお酒のよう。もしくは闇に浮かぶきらびやかな錦絵。ゆっくり味わうように読ませてもらいましたが、どの作品もどこか幻想的でありながら、時たまふっと背筋が寒くなるような怖さ、そしてある種の懐かしさも感じました。言葉にすると陳腐だけれど、複雑な味わいのある作品です。赤江瀑さんの本は絶版が多いので読めて幸せ。2015/07/22
八子@ちょっと復活
12
美しい文章、世界観を堪能できました。表紙も綺麗です。好きな話は、江戸を舞台にした『しびれ姫』。一つ一つの台詞が印象に残る。2013/04/13
とろろ
3
一つ一つの作品がそれぞれ鮮やかな色彩を残す1冊だった。一人称や台詞で進む作品が特にテンポ良く読めた。『弄月記』『秘夜長夜』『しびれ姫』『坂』『蘭灯の招き』が好み。2012/05/24
Ayah Book
2
幻想的な物語を集めた短編集。「蘭灯の招き」はどこか山岸涼子さんを思わせる。2016/09/01
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