内容説明
東京タワーや善光寺,明石海峡大橋のライトアップなどで知られる著者による若い世代に向けたメッセージ.将来の進路に悩んだ高校時代,ヨーロッパ留学の体験,照明デザインとの出会い,大阪万博,日本各地でのライトアップ・キャラバンのエピソードなど,困難を乗り越えながら新しい世界を切り拓いてきた道のりを語る.
目次
序 章◆照明デザインの仕事とは?
1.東京タワー・ライトアップ/2.長野善光寺・五色ライトアップ/3.明石海峡大橋・橋のライトアップ
第1章◆将来を考え続けた学生時代
I 私が生まれ育った時代
II 将来何になる?
第2章◆やりたいことを仕事にする
I プロを目指して……
II 就職するということ
第3章◆明かりを求めて世界に旅立つ
I 広い世界へ
II ヨーロッパでの仕事
III 海外で学び暮らすために
第4章◆照明デザイナーとして生きる
I 照明デザインのはじまり
II 地球のどこかに仕事はある
第5章◆日本の夜の街に光を!
I ライトアップキャラバン
II 光がつくる街と暮らし
III 日本の光を広める海外講演
終 章◆明かりの未来とあなたの未来
I 今,明かりは進化の時
II 未来を生きるあなたへ,伝えたいこと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆにす
6
とてもよかったです。照明デザインはもう私たちにとって当たり前のようになっていますが、それはつい最近のことだったのですね。石井さんがこんなに苦労して日本の景色を明るくしてくれたこと、初めはボランティアだったなんて驚きでした。美大からデザイン事務所でアルバイトするあたりは「はちみつとクローバー」を彷彿させるものがありました。美しいものを美しいと感じることを大切にしたいです。2012/11/09
Ichiro Toda
5
照明デザインという日本ではあまり認知されていない職業について実際の仕事やそのなり方、海外での仕事経験など著者の伝記的な話が展開される。照明デザインということ自体には全く興味がないが、あまり多くない職業になる、または新しい職業を作り出すという点が非常に興味深い。もちろん照明についての話も面白く、専門的に展開されている部分も少ないがあり、写真と見比べながら読むと著者の作品をより理解できる。仕事の心構え、外国での仕事の仕方など照明に興味がなくても心惹かれる。課題図書であったらしいが、それに耐えうる良質な新書2014/05/12
寝落ち6段
2
どこそこの城やタワー、橋、歴史的建造物などのライトアップはイベントとして当たり前のような感じの現在。人類はまず火から始まり、電気で光を求めている。ただ生活に必要だからというわけではなく、光が照らし出す幻影は美しく、その為だけにでも足を運びたくなるほどの芸術になっている。筆者は日本の照明デザインのパイオニアである。認知されるまでの苦労もわかり、逆に喜びも書かれている。感動というのはそういう基盤の上にさせて頂くものだと敬謙になれる。2014/01/26
インテリ金ちゃん
1
日本における照明デザインの先駆者の自伝。新しいこととの出会いは幸運であるが、それ以上の努力を感じた。2017/06/23
imka
1
勉強に対する姿勢や考え方など大変参考になりました。 今よりも男尊女卑の考え方が強い時代に頑張られた方の本なので、特に女性はやる気がもらえるのではないでしょうか?2013/09/07