内容説明
ジェイクとわたしは付き合いたてのカップル。これから彼の両親が住む農場に、挨拶をしにいくところだ。けれどわたしは、ふたりの関係を終わりにしたいことを彼に隠していた。打ち明けられないまま目的地が近づくなか、携帯の留守電に、謎の男からの着信が――「答えを出すべき問いは、ただひとつ」。そして、ある寄り道が決定的な悲劇へと……。こじれ始めたふたりに訪れる驚愕の真実。孤独がもたらす心理に迫るスリラー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
457
用いられている語彙そのものは平易なのだが、なんとも掴みどころのない難解な小説である。これが読者に再読を迫る作者の試みであるとするならば、その成功の確率ははたしていかほどのものだろうか。主題も不明だし、構成もまた一筋縄ではいかない。定期的に挿入される断章の意味も確信を持ってこうだとは言い得ない。読者の数だけ解釈が存在するというのも、さもありなんと思わせる。私はこの小説世界の混沌の中で生理的な恐怖を感じるし、読みながら脱出をひたすらに希求していた。実に奇妙な小説体験だった。2021/10/12
夢追人009
349
昨年度の評判作という事で気になっていまして漸く読みましたが、残念ながらこれは久々に読むのが辛い結果でしたね。もうちょっと面白いんじゃないかと期待していたのですがね。欧米では好評価らしいですが、もし日本で出ていたら売れ行きは厳しいだろうなと思いますね。短編でも十分に収まるのにどうでもいいような事ばかりをダラダラと書いて引き伸ばしているように思えてなりませんね。何となく外国の人は日本人に比べて気が長くて辛抱強い方が多そうに思えますね。本作は映像化されていますが私には昔の血みどろホラー映画の方が良いと思えます。2021/11/13
ペグ
122
具体的な表現の無い題名、チャーリー・カウフマンが映画化。1920年代の蒸気機関車の釜炊きのような服装の著者の写真。この三点が魅力的で早速読み始める。100頁位は車中での会話。その後どんどん嫌な雰囲気になり、結果は読者に判断を委ねる〜みたいな終わり方で、不思議な雰囲気の小説だった。表現は嫌いではないので、違うモチーフの作品を読んでみたいと思う。2020/08/13
ケイ
118
そういうことか。読んでから気づいた。ハヤカワミステリじゃないか。タイトルとこの表紙から、恋人たちのエンディングとかそういうことかと。確かに最初はそうなのだが…。後になるほど不穏になり、少し気になった数々の少し妙な描写が確信的だったことに気付かされた。気持ち悪すぎて、ちよっとダメだ、この読後の感触。2021/02/13
まこみや
101
カバーの絵のタッチから軽いユーモアミステリと思い読み始めた。いやはやまったくのミスリードでした。サイコミステリーなんだろうな、よくわからないけど。2通りの解釈を考えた。①ドッペルゲンガーというか解離性同一症を扱ったものという見方だ。ジェイクと名前不明の「わたし」とは一人の人物の二重人格の現れと考えることができるかもしれない。②高い知能を有しながらも孤独な学校用務員として自殺した男が残したノートの内容、つまり全ては男の妄想と見ることもできるだろう。夜の校舎内で追い詰められていく恐怖にはゾクゾクとさせられた。2022/09/04
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