内容説明
エボラ、マールブルグ病、ラッサ熱……地球上で発生し続ける新興ウイルス制圧の過程には、常にこの組織の死闘があった――一九九五年にザイール(現コンゴ)で起きたエボラ出血熱の流行を軸に、感染症対策の人類最後の砦たるアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の活躍に迫る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HaruNuevo
5
1995年、コンゴで発生したエボラ出血熱のアウトブレイクに対応した、アメリカ疾病予防管理センターCDCのメンバーの取り組みとともに、元々アメリカ国内でのマラリア予防のために設置されたCDCの生い立ちを語る。 エボラのような致死率の高さはないが、その伝染力の高さから人間というより社会そのものを窒息させるような新型コロナウイルスの感染爆発の厄介さを感じながら読了。2021/08/09
影実
0
1995年にコンゴで発生したエボラ出血熱への対応を軸にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の活躍や成り立ちを著述した一冊。1997年に刊行された作品の文庫化なのでSARSや新型コロナウィルスに関する言及は無し(文庫版訳者あとがきのみ言及)。「ウィルスそれ自体はさしたる問題ではなかった。人間の行動の方が問題だった」という一文は現在の新型コロナウィルスへの対策にも通じるところがあり、考えさせられる(ちゃんと感染予防をしよう)。2020/11/22
peko
0
1995年のエボラウイルスを軸に話が進むが、途中で年代的には1995年以前のエボラ、マールブルク、ラッサへの対応が入ってくるし、人名もたくさん出てくるので、ちょっと混乱してしまった。CDCの歴史がわかる。ウイルスは消滅もするが、変異もして、新しい姿でまた私たちの前に現れるのか・・・2020/10/05