講談社文庫<br> さかさ髑髏は三度唄う

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講談社文庫
さかさ髑髏は三度唄う

  • 著者名:司凍季【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2020/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062646093

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内容説明

闇からとどく髑髏の声、怪異の果ての悲劇。哀しいさらし首伝説の残る村で続く奇妙な死の真相は? ――憧れの女性教師が余命わずかで、学校も廃校に……。小学校時代の同級生・一尺屋遙(いっしゃくや・はるか)から手紙を受けとった八追純平(やおい。じゅんぺい)は、20年ぶりに母校を訪ね、夜の理科室でか細い声で唄うさかさ髑髏の灯籠を見た。不気味な詩に誘われるように、一人また一人、奇妙な死が訪れる。一尺屋が解き明かす悲劇の真相。新本格推理長編。怪しの声が惨劇の始まり……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

セウテス

94
一尺屋遥シリーズ第3弾。語り手は、小学生の時に滞在した学校が、廃校となる連絡を受け20年ぶりに田舎を訪ねる。この男の友人であり、小学校の同級生が一尺屋遥である。一子相伝の窯元で起こる殺人事件、逆さ髑髏の言い伝え、謎の唄と、魅力的な背景は整っている。だが、どうにも楽しむ事が出来ない。ひとつに、探偵の一尺屋遥が前作と違う人間の印象を受ける上に、具体的なイメージが湧かないのだ。必然と感情が入る事はなく、特に女性陣の設定が良いとは思えない。犯罪に走らせる仕方のない悲壮な環境など、犯人に共感出来る思いが中途半端だ。2019/10/21

HANA

58
廃校舎で起った奇怪な出来事、伝統ある陶芸家一家の不和、と読ませる要素は多々あるんだけど、全体として見ればどうも残念な出来。こういう怪奇現象等は事件全体に如何に不自然なく組み込めるかが勝負だと思ってるのだが、本作は肝心のその部分で失敗してるような。冒頭の出来事もこじつけめいているし、何より暗号が登場する必然性が無いのが痛い。誰が何のために書いたかわからないし、無理筋で事件の道筋を立てる為としか…。全体的に事件も淡々と起きていくし、事件の進行もどこか淡々としているし、どうも目立つ所のないミステリでした。2021/12/18

ろびん

4
主人公がひたすら可哀想だ……。2018/03/08

Tetchy

4
扱っている題材は本格ど真ん中であり、舞台設定、トリック共々、申し分ないはずなのだが、やはり物足りない。小説を読んだというより、長いパズルを解かされたという感慨しか残らないのだ。ここまで来ると呆れるのを通り越して、これこそがこの作者の特徴かと割り切ってしまう。これほどまでに無個性だと、むしろこの作者は全てが謎解きに寄与する純粋本格推理小説を書くことを目指しているのかもしれない。物語よりもトリックを!といった純粋推理を楽しみたい方には最適の作品だろう。しかし私はあいにくそれだけでは腹が太らないのである。2009/11/08

kagetrasama-aoi(葵・橘)

2
一尺屋遥シリーズの第三作目。今回の事件は動機が後味悪かったです。横溝正史大先生の作品を意識した作風かな……って思うんですが、正史氏の犯行動機は止むに止まれぬって感じで、そこに哀切の情が湧くんだけど。この作品はそれとは大違い!なんか、残念です。今回も一尺屋さんの人物像の掘り下げはなかったけど、派手な軽トラに乗ってお花売っていることがわかりました。ワトソン役の八追純平が不憫過ぎです(T_T)。あと、この作品に登場する女性、皆貞操観念が無さ過ぎ!男性作者だったら、「女性蔑視!」とか思わず言いたくなります。2016/10/20

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