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内容説明
「科学の世界は国境の向うから文学の世界に話しかける」(「文学と科学の国境」)。日本の伝統文化への強い愛情を表した寺田寅彦。芭蕉連句を映画のモンタージュ構成や音楽の楽章に喩えるなど、ジャンルを越えて芸術の本質に迫る眼差しをもっていた。科学者としての生活の中に文学の世界を見出した「映画芸術」「連句雑俎」「科学と文学1」「科学と文学2」の4部構成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
73
図書館の新刊コーナーで見つけて。物理学者であり随筆家、俳人の寺田寅彦、読むのは初めて。映画芸術、連句雑俎、科学と文学の三部構成だが、その洞察力、分析力、未来を見据える感性に驚いた。特に映画に関して。これが書かれた昭和7年当時、ようやくトーキーが出だした頃ではなかろうか。その時代に、映画の芸術性について的確に論じているのだ。映画の成り立ちから、音声映画の良し悪し、有色映画、なんと立体映画まで。そして、和歌俳諧浮世絵を生んだ日本に「日本的なる世界的映画」を創造することが課題だと説く。未来が見えていたんですね。2020/08/19
オザマチ
11
言い回しがいかにも寅彦先生。今は自分の専門分野以外について敢えて論じる人が減ってしまったように思う。2023/10/29
tsumugi
1
うーん、さすが寅彦先生。連歌については自分の知識が無さすぎて何とも言えないが、いわゆる「科学」と「文学」についての類似性や分析は説得力が高くて唸らされる。一意見であるときっちり断るあたりも誠実だ。思ってもみなかった視点を提示されて虚をつかれることもあり、うむ、流石ですとしか言えない。興味深かったです。2021/07/31
hass
0
難しすぎたあ〜〜、、2021/08/19