内容説明
昭和史を世界視点で見ると何がわかるのか? ヒトラーやスターリンがかき回した世界史における戦前日本の盲点が浮き彫りに。日本人必読の半藤昭和史完結編、待望の文庫化!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
65
日本の・昭和の・歴史と言うが、世界史の流れの中に位置づけて、初めて理解できることが、手に取るようにわかる。歴史探偵を自称する半藤さんが、今日の日本のありさまと照らし合わせながら、戦前の日本を描く。今の日本がいかに戦前とそっくり、あるいはそれ以上に危なっかしいかを教えてくれる。歴史を知ることは、人命や権利を大切に考え、過ちをくり返さないために必要であり、情報を自分に都合よく思い込むこと、気に入らない相手を排除する論理が、どんなに危険かを知るべきだ。本編の後、巻末の青木理さんとの対談はまさに今への警鐘である。2020/08/20
ころこ
44
前3作は蒙が啓かれることが多かったので期待した4作目だった。スターリン、ヒトラーが細かく扱われていて、世界の動きがどの様に日本に影響を与えていたかを論じている。未知の事実やエピソードが多かったので、無駄とはとても言えなかったが、期待していたのとは違っていた。日本と世界を往還して導かれる歴史意識、見方が変わるような歴史哲学のようなものを期待していた。歴史の教訓としての書き方が目立ち、予定調和にみえてしまった。どの様に見られているのか意識してしまって、期待に応えようとかえって面白くなくなるのはよくあることだ。2024/12/21
樋口佳之
44
久しぶりの著者の昭和史。上手だなあというのが感想。編集者を仕事として、自分で文章を綴れるって強いよなあ。この分量に世界史絡めた日本昭和史を納めて飽きさせない講談調。/青木 やっぱり松岡洋右というのはこんなにひどい奴だったのかと(笑)。これは半藤さんの評価が厳しいのではなくて、一般的にそういう評価なのですか。 半藤 実際はもっと悪いんじゃないでしょうか(笑)。2020/08/21
さきん
30
各国やその中の様々な立場にある人々の思惑が交差し、日本は長い戦争の道へ引きずり込まれていく。こうすれば、避けられたのではないかとよく論じられるが、あまりにも不確定要素が多すぎる。ソ連やアメリカ、英国も日本よりも残忍な面あり。著者の本は何冊も読んできたが、海軍寄り、能力主義、反薩長の見方をする傾向を感じる。海軍のエリート教育が優秀な人材を育成すると約束するわけではないどころか、協調性に欠けた鼻につく独善的な人材や現場に疎い人物も輩出する。薩長閥の小さいコミュニティだからこそ陸海軍の協力が上手くいく面もある。2021/09/09
おせきはん
30
太平洋戦争に向かう日本の昭和史を、ヒトラー、スターリンの思惑と関連づけて辿っています。別の道を選ぶチャンスもありながら、情報の収集・分析が不十分で、結果的にヒトラーの思惑通りに動いた日本の歴史を繰り返さないよう、当時のことからしっかり学んだ方がよいと思いました。2021/07/04
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