内容説明
人間は、自然を管理できているはずだった――。
細菌を媒介する黒い悪魔の暴走
複層的な問いを投げかけるバイオミステリー
水の守り神とも称される愛くるしい両生類ウアブに魅せられ、太平洋の小島ミクロ・タタに通う若き研究者ジョージ。だが、インフラ開発で高級リゾートの人工池に棲息の場を移されたウアブに、大量死が起こる。それは悪夢の幕開けだった――。禁忌に触れた人類を生態系の暴走が襲う!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
40
自然界のタブーを犯すことがどれだけ生命の犠牲を出すか…この一冊を読むことで、人間の愚かなエゴを改めて痛感することとなった。それは神から与えられたパンドラの箱。決して開けてはならない。何故ならそこには悪魔が閉じ込められているのだから…。かつて水の守り神として可愛がられた両生類「ウアブ」が、細菌振り撒く黒い悪魔に変化して傲慢な我ら人間たちへと警鐘を鳴らすバイオミステリー。「危険だから駆除をする」とはやはり人間のエゴに過ぎない。生態系を弄り、それを人が管理できると思っていたうぬぼれに恐怖と寒気を感じてしまった。2020/08/03
えみちゃん
29
初読みの作家さん♪以前から気になっていた「竜と流木」がやっと文庫化されたのでさっそくってことで読み始めたワケですが・・。水の守り神と称され現地の子供たちに愛される「ウアブ」がインフラ開発のあおりを受け絶滅の危機にさらされる。それを回避しようと人工的に作られた地上の楽園「ココスタウン」の池に「ウアブ」を放すワケですが・・。ある日、池に大量死のウアブが浮き上がったのを境に正体不明の黒いトカゲ⁉もどきがあちこちで目撃されやがてヒトが襲われ被害がでるワケですが・・。正直なところ黒い悪魔の正体はわりと早い時点で2020/08/14
Nao Funasoko
28
好物なジャンルであるネイチャーパニック物。生態系というのは全てが微妙に複雑に繋がっているのだなというお話。 「南洋群島統治総論」や「日本棄民誌」といった小道具の登場にどことなくパラオ熱帯生物研究所の影を感じてしまう。 エンターテインメントとして十分楽しめた。2020/07/20
たぬ
16
☆4 ちっともわくわくしないUMAもの。わくわくどころか災厄しかもたらさない。謎の生物の正体が判明した時はそりゃもう驚いたし、どうしてそうなったのかが明らかになった時は読んでる私も「そんなことって…」てな心境でした。対策仕様にも、文化も価値観も生活習慣も違う地元民が悪いなく邪魔してくるんだよなあ。たくさんいる登場人物の書き分けが丁寧なのが良かったです。2025/12/21
ちゃま坊
16
昔、猫に咬まれて猫ひっかき病になったことがある。あの頃は病原菌がまだ判明していなかったので、大きな病院でもわからなかった。動物が関与する恐い病気をいろいろ再考する。動物愛護で見ると保護だが、数が増えて人への被害が増えると駆除の声があがる。絶滅危惧種とか愛護動物とか害獣とか勝手に決めているのは人間。その線引きはあいまいだから論争になる。人間というのは実に勝手な動物だ。2022/09/01
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