内容説明
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私たちのまわりに育つ植物は静かに暮らしているように見えます。でも、植物が生きていくためには、栄養をつくるために必要な光、根を生やせる土地、吸収する水や養分が必要です。
新しい植物がその場所に侵入してくれば、自分たちの暮らしが脅かされるので、自分たちの静かな暮らしを守るために、侵入してきた植物と闘わねばなりません。自分が新しい生育地を獲得するために、離れた場所に移動すれば、そこにすでに育っている植物たちと闘わなければなりませんから、発芽した芽や根には、戦う力がなければなりません。
生育する場所が獲得できても、夏の暑さや冬の寒さとは毎年、闘わなければなりません。夏には紫外線や灼熱の太陽の強い光に耐えねばなりません。動物に食べ尽くされない工夫も凝らさなければなりません。
人間とも共存、共生しなければなりません。人間は、必要な植物なら共存共生し、大切にしますが、必要ない植物にはひどい仕打ちで、その場から追い払おうとするからです。
静かに暮らしているように見える植物たちも、すさまじい生存競争に打ち勝つための力を隠しもっているのです。植物たちは、自分が生き残り、子孫を残すために、自分の力を秘め、知恵をめぐらせ、さまざまな工夫を凝らしているのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
44
クズはマメ科の植物のため根粒菌がおり、空気中の窒素を吸収し、窒素肥料に変える力を持っている。植物の栄養素として、窒素、リン酸、カリウムがあるが、中でも窒素が自ら生成できるのは成長に優位に働く。 クズはその繁殖力から米国で堤防の決壊を防ぐための切り札として海を渡り、米国にはクズを食す動物であるヤギやウシ、マルカメムシなどの天敵がいないことにより、大繁殖した。せっかく強い生命力があり繁殖できるのだから人間の責任として、環境負荷をかけずに有効活用したいものだ。2022/07/30
こも 旧柏バカ一代
25
クズの生態は本当に規格外。アメリカを侵食していたとは、、さらにセイダカワダチソウもな、、他の植物を生やさせない物質を出さなかったらしいけど。。今は周辺の草が抵抗性を持ったのか、セイダカワダチソウが他の草と紛れているよな?2023/10/19
nbhd
20
植物にとって「花」は生殖器なのだから、褒めるなら「うわぁ、セクシー!」であるべき…と説かれている。ウムなるほどと、うなずいたのは確かなのだが…本を読んでるうちに、そもそも植物を擬人化して理解することがドダイ無理なことで、ほぼ不老不死の植物センパイに対するけっこうな失礼になるのでは、と思うようになった。セイタカアワダチソウは、シス・デヒドロマトリカリア・エステルというアレロパシー物質でまわりの草木を生えにくくするとか、擬人化、無理だし。ユクスキュルの「生物から見た世界」のような視点で、植物を愛でたいものだ。2022/04/27
tokkun1002
7
2020年。研究を重ねて分かった植物の機能。生存競争の中で進化してきたからわかること。天敵がいないところへ移すと環境を破壊する。生存競争に勝ち抜く手段が人などの他の生物を打ち負かす武器となる。こんな研究の成果を読んで感心するよりも不安になる今の時代背景が嘆かわしい。2020/12/29
Melody_Nelson
6
前にNHKで植物系の進化についての番組があったが、本書の内容はそんな感じで、わかりやすく説明されている(でも、私のように本当に無知な人向けかも)。個人的には知らないことが多かったので、実際に色んな植物を見てみたいなと思わせてくれた。タンポポの根っこが凄かったり、パイナップルを食べるとイガイガする感じも、そういうことか…と。動物もだが、植物も生存のための進化が激しいけれど、これほどにまで種(類)が多くなったのも不思議。2023/11/15
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