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内容説明
大日本帝国、陸海軍秘話。
大和ミュージアム館長と『独ソ戦』著者が初公開!
戦後、将校・下士官兵は何を二人に語り残したのか……。
大日本帝国陸海軍の将校・下士官兵は戦後に何を語り残したのか?
戦後も陸軍はヤマタノオロチで、海軍は双頭の蛇の組織構造だったこと、
瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯に、
松井石根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏をはじめ、
陸海軍の秘話が明かされる。
そして、日本軍の文書改竄問題から、証言者なき時代にどう史資料と向き合うかに至るまで、
直に証言を聞いてきた二人が語りつくす!!
■瀬島龍三が情報を握りつぶした話が漏れた経緯
■藤村義一の「誇張」、坂井三郎の「加筆」、朝枝繁春の「ほら」
■大井篤が漏らした「連合艦隊との戦いは終わった」
■『滄海よ眠れ』で暴露された、ミッドウェイで捕虜を茹で殺していた事実
■松井石根の『陣中日記』改竄を突き止めた舞台裏
■大和と武蔵を「使いこなせなかった」ことに問題があった
■歴史に残るメイキング、ババル島虐殺事件 etc.
【目次】
まえがき
序 章 帝国軍人との出会い
第一章 作戦系と情報系――陸軍編1
第二章 陸軍はヤマタノオロチ――陸軍編2
第三章 連合艦隊と軍令部――海軍編1
第四章 海軍は双頭の蛇――海軍編2.
第五章 日本軍の文書改竄――史料篇1
終章 公文書、私文書、オーラルヒストリー ――史料編2
あとがき
ブックガイド
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
68
いわゆる対談ものはあまり読まないのだが、この二人ならではの話が出てきそうなので手に取った。戸高氏は大和ミュージアム館長であり、当然海軍軍人の話が多くなる。「反省会」の裏話的なものもあり、直接話を聞くことによりニュアンスを得られるというのはうらやましい限りだ。一方史料吟味の必要性を感じるエピソードもある。改竄の過程を見つけて真相を知る話など、特に軍人の話は「盛られた」面があり得るので重要か。戸高氏がかなり主義主張が異なるだろう吉田裕氏を、立場にかかわらず「まとも」なものとして高く評価する姿勢は素晴らしい。2021/12/29
樋口佳之
41
もし「東部戦線が足踏みしている」ことがはっきりと日本側に伝わっていたら、一二月八日の開戦決意は遅れたと思います。一二月八日は、ドイツが崩れた当日のような日ではないですか。/澤地久枝氏の著作読まないとな2020/07/17
蜻蛉切
39
色々と示唆に富む内容。 しかし、年齢的に戸高氏は兎も角、自分とほぼ同年代の大木氏が、こういう濃密な体験をしていたことが意外であった。 お二人共に、そういう意味では彼ら(元軍人たち)との微妙な距離をとっている点が重要である。 近すぎても、遠すぎても説得力を失いかねない。 後は史料の評価や取り扱い、読み込みといった部分の重要性と時代の空気に対する想像力など、趣味も含めて歴史を学ぶ際のポイントは非常に印象に残った。 千早正隆氏の著作は若い頃ずいぶん読んだが、ホントにボロクソに書いている。(笑)(続く)2020/07/19
CTC
23
7月の角川新書新刊。史料調査会司書として海軍反省会にも深く関わった戸高一成氏と、中公『歴史と人物』の取材で軍人らと多く交わった大木毅氏の「旧軍人に聞いてきた話、その記憶を対談の形で残」すために企画された本書。戸高さんが中で語っているが、もう「100歳前後のおじいさん」を捕まえて当事者として話を聞くのは無理がある。せめて文献では伝わらない軍人の心情心理を「聞き取りの記録」から伝えたい、との意図である。大変面白い発見の多い本だったが、章扉の度に著者らの決めポーズ写真(それぞれ別カット)を収録したのは何故?2020/07/17
すしな
20
086-20.目次だけ読んでも面白い本でした。帝国軍人とは結局お役人だったという流れですが、役人とは組織を守るためや予算を取るためにいろんなことをする人たちという部分では今でも同じだなぁと。なので公文書をはじめとする資料をそのままうのみにできないので、読み解くためのコツみたいなの非常に興味深かったわわけですが、そもそも、公文書をきちんと保存するための公文書館とそれを運営する体制って重要だなぁと。公文書が第三者的な機関に保管されて歴史にしっかりと残るというプレッシャーって権力には必要だなと感じました。2020/08/10