公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う

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公〈おおやけ〉 日本国・意思決定のマネジメントを問う

  • 著者名:猪瀬直樹【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • ニューズピックス(2020/07発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784910063096

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内容説明

作家生活40年の集大成!
「本書を読み終えるとき、読者はたった1字にこめられた意味をつかむことになるだろう」(本文より)

コロナウイルスに対する意思決定は、敗戦のあの日から何も変わっていないーー。
猪瀬直樹が今最も伝えたい、「私」の国・日本に欠けている概念(コンセプト)とは。
「他の国にはある公への意識が、この国には見られないのはなぜなのか」をテーマに、明治から令和まで、日本近代の風景を縦横無尽に描く! NewsPicks人気連載イノベーターズ・ライフを大幅加筆・修正のもと書籍化。

・文化芸術を大臣が「生命維持に必要な存在」と語るドイツ、「癒し」でしかない日本
・コロナウイルスで日本政府に決定的に欠けていた「文書主義」
・なぜ東京はロックダウンできなかったのか
・戦前と戦後は連続的につながっている
・「公」を描くカズオ・イシグロ、「私」に閉じこもる村上春樹
・「元号」にこだわり続けた森 外の公への意識
・「マーケット」を意識していた夏目漱石
・太宰治のスター願望は、現代ならお笑い芸人だ
・日本は戦前も戦後も「官僚主権」で変わらない

作家的感性をもって日本の官僚的無感性と戦い続けた猪瀬直樹が描く、この国の本質とは。

目次

【目次】
第I部 新型コロナウイルスと意思決定
〝孤島〟タ?イヤモント?・フ?リンセス号
対策本部の意思決定
議事録の意味
公文書の役割
戦前と戦後の連続性
総力戦研究所の存在
日米開戦の意思決定
問われるリータ?ーシッフ?
第II部 作家とマーケット
カス?オ・イシク?ロと「公」の時間
クリエーターとしての作家の誕生
森鴎外の「家長としての立場」
夏目漱石は〝マーケット〟を意識していた
ヘ?ストセラーの登場
『文藝春秋』の誕生と芥川龍之介の自殺
太宰治のスター願望は、現代ならお笑い芸人
作家への道標は三島由紀夫とカホ?ーティ
第III部 作家的感性と官僚的無感性
表層を漂う全共闘
『ミカト?の肖像まて?』
官僚機構の正体をつかむ。『日本国の研究』
道路公団民営化まて?の道のり。『道路の権力』
二宮金次郎に学ふ?「セ?ロ成長」時代の行政改革
石原慎太郎さんからの連絡。副都知事就任へ
東日本大震災発生。奇跡のリレー「偶然の必然」
都知事に就任。東京五輪招致へ
東京都知事を辞任。『ラストニュース』は終わらない
エヒ?ローク?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

30
結構驚いたのが、多くの読者が著者を保守政治家だと認識していたことです。団塊世代特有の不用意さはあるものの、立花隆に酷評されたようなキッチュさが売りのノンフィクション作家だったはずです。著者が「昭和16年の開戦」を原点と自認することで今回のタイトルである「公」の問題を書き続けたことになってしまっています。実際には浩瀚な本の中身はもっと猥雑なもので、作家が過去を振り返ることで均されてしまっている印象を受けます。それらを掬い取れない網の目である現在の著者は、作家ではなく政治家との印象は拭えないのかなと思います。2020/11/13

T.Matsumoto

9
猪瀬氏の著作ならびに政治的業績の総集編です。作家という枠にはまらない活動には感銘を受けました。道路改革やオリンピック誘致のエピソードなどは、やっぱり面白いです。都知事辞任の原因とされた徳洲会からの資金も収賄じゃなかったのは初めて知りましたが、なんとも勿体ないことをしたと思います。タイトルの「公」に関する記述は少ないのですが、家長の意識をもち「公」の意識を持たないと進化がない、とメディアに問題提起するところがハイライトなのかな。猪瀬直樹入門書としてお薦めしますが、ファンとしてはやや物足りないかもしれません。2020/10/23

Kazuturas

3
ノンフィクション作家が、どのように道路公団民営化などに関わり都知事として活動していたのか、学生紛争のリーダー時代までも遡りながら語る。官僚主義日本の戦後の総括のようでもあり、自叙伝として彼の作品群への導入でもある。「家長」としての歴史的責任を果たすべきと、官僚主義を難じる。メディア上の発言からなかなかにハードコアな保守主義者と見受けるが、ノンフィクション作家としての矜持と技術的な制約によるのか、歴史文書に対する立場が進歩的というかリアリストで、歴史の現実を見つめようとしているのが面白い。2020/11/21

chiro

2
日本人は「公」という概念について単一民族という幻想から希薄であるとは感じているので、そういう視点からの内容を期待していたが、そういう視点は全くなく、ちょっと考えれば、それは当然で著者が如何に「公」を体現した人物であったかを自ら語るという面白い著作でした。2022/04/19

owlsoul

2
日本には「有事」の発想がない。なぜなら日本は戦争をしないと決めた国だからだ。実際は弱肉強食である国際社会の中で、アメリカの庇護の下、我々はまるで『ディズニーランド』のような偽りの平和を謳歌してきた。震災やパンデミックなど現実世界には有事が存在するのだが、それを想定していない日本は有事の場合でも平時の発想のままで解決しようと試みる。さらに、縦割組織で中枢が存在せず、ムードに流されて意思決定を行う様は、まるで戦前の大本営と変わりがない。敗戦を経ても現存する官僚機構は、事務能力があるだけで決断はできないのだ。2021/05/23

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