内容説明
「身体」を驚異的な手法で書き換える新しい文学、クィアでストレンジな女たちの物語! 全米批評家協会賞、シャーリイ・ジャクスン賞、ラムダ賞(レズビアン文学部門)他多数受賞、ニューヨーク・タイムズ「21世紀の小説と読み方を変える、女性作家の15作」に選出された今もっとも注目を浴びる作家の初短編を、豪華翻訳陣が邦訳!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くさてる
26
身体のどこかにリボンを巻いている、からだが消えていく、八口以上食べなくなる手術を受ける、いるのいないのか分からない赤ん坊を受け取る、そんな女性たちの短編集。奇想と言えば奇想だけど、ファンタジーと呼ぶほどふわふわとしていない。性とジェンダーにまつわる傷口が見え隠れする部分は、むしろ痛い。シャーリイ・ジャクスンやジョイス・キャロル・オーツの名前が出てくるのも頷ける雰囲気だけど、より現代的な印象を受けました。良かったです。2020/06/27
田氏
24
まず、著者やレーベルのスタンスからすれば、おそらく自分はいい客とは見られないだろう。この小説にどんな主義主張や思想、問題意識が込められていようが、自分はただ小説としてのみ受け取りたかったからだ。そして、ただ小説として読んだこの小説は美しかった。透き通っていたり、歪んでいたり、濁っていたり、ほのかに光っていたり。いい客でない自分は、それを物陰から盗み見る。壊してしまわないよう、できるだけ解釈せずに、汚さないように、手で触りたい気持ちを抑える。読み終わったら何事もなかったように立ち去る。その前後に変化はない。2020/06/27
えりまき
20
2023(108)混沌。訳者の松田青子さんに惹かれて手に取りました。奇妙でホラー、つかみどころのない文章が、女性の生き方そのものだと感じました。「八口食べる」の「私が犯してしまった罪は山ほどある。どうしてあの子にフェミニズムについて教えなかったのだろう?」にドキリとしました。 2023/04/22
くみこ
18
訳者名に惹かれて読んだ短編集です。身体が切断されたり膨らんだり透けたり、体と心の感覚を繊細に紡いだ純文学の味わいもありながら、女性差別に対する強い怒りを感じます。女性同士の恋愛と結婚には虐待も描かれ、多彩な8話。正直言って解説なしではよくわからないものもありました。少し前に読んだイ・ジュヘ作「その猫の名前は長い」に似ています。レズビアンを公言した女性作家が、社会や文化に根付いた女性蔑視を捉え炙り出し、多様な愛の形を端正な文章にする。フェミニズム文学の新しい流れなのでしょうか。 2024/10/05
ズー
16
向こうの国の昔話とか、スラングとか比喩とかを絡めてる話が多く、?って部分も多いし、最後まではっきり種明かしせず、読み手に話の結末を考えさせる感じとか。フワフワして掴めない読み心地が良い。同性愛 異性愛か読み出し分からない感じも良い。この手の本はあとがき読めば大抵なるほどと思う。でもなるほどとならなくても、大まかに感じて読むって感じがいい。2020/07/07
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