内容説明
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カメムシの仲間のサシガメが媒介する風土病「シャーガス病」。この虫は粗末な藁葺き土壁家屋に棲みつき人を刺し、神経細胞を侵して心臓を肥大させ死に至らしめる。本書は、中米でサシガメの駆除に取り組んだ日本の科学者と青年海外協力隊員が展開した「シャーガス病対策プロジェクト」の奮闘の物語である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橘
6
標的昆虫にとっては災難だが、プロジェクト遂行の一例となる。撤退後の作戦継続を考慮するなら「現地の人を巻き込む」「子どものうちから教育する」ポイントは外せない。国際化が進む中、この病気は単なる風土病ではない。渡航後、感染に気付かない隣人がいる可能性はあるのだ。2016/03/17
Sanchai
2
兼ねてから発刊を待ちわびていた本。店頭販売開始と同時に読んだ。寄生虫を媒介するカメムシの生態を調べて、対策を打つ。カメムシを完全に駆逐することはできないので、ある程度コントロールできるようになったら、次は住民主体の監視体制を作る。当たり前のアプローチだが、それを途上国の貧困地域で行なうのだからいろいろな苦労がある。そこで奮闘した青年海外協力隊員のエピソードが沢山出てくる。そうした苦労を通じて成長していく隊員達の姿が想像しやすい。地球選書の中では最高傑作の1つなんじゃないかな。2013/02/08