講談社文庫 さらば、黄河

著者名：伴野朗【著】

講談社（2020/07発売）

• ISBN：9784061844667

内容説明

黄河学術調査団のメンバーとして中国に渡ったカメラマン笹井には、もうひとつの目的があった。太平洋戦争当時、軍属として中国大陸にいたことのある父が、昨年、中国再訪の旅に出たまま失踪してしまったのだ。その謎を解きたい、と笹井は決意していた。だが、その笹井を次々と奇怪な事件が襲う。何が父に起きたのか？　悠久の大河が舞台の鮮烈ミステリー。大黄河を舞台に、いまよみがえる歴史の悲劇！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[そ吉]

中国古代の夏の都市遺跡と黄河に伝わる秘密結社という組み合わせが冒険談めいている。 1980年代の中国はまだ外国人には未開放地区も多く、想像を掻き立てるところが多々ある。現代においてそういう意味ではミステリーを構成しやすい国だったのだろう。 もう少し、戦時中のエピソードに厚みを持たせた方が良かった。★★★☆☆

2025/05/14