イースト新書<br> ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち

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イースト新書
ドリーム・ハラスメント 「夢」で若者を追い詰める大人たち

  • ISBN:9784781651248

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内容説明

<各界絶賛>

■武道家 内田樹氏
呪符として機能している「夢を持て」「自分らしく生きろ」という言葉の負の効果に、
我々はもっと恐怖心を持つべきである。

■思想家 田坂広志氏
若者に「夢を持て」と語る大人は、必読!

■教育改革実践家 藤原和博氏
私には夢がなかった。リクルートに憧れはなかったし民間校長になる夢を見たこともない。
「教育改革実践家」は52歳の私があとづけで付与した肩書きだ。

■経営学者 野中郁次郎氏
計画・分析偏重の呪縛から逃れよ。「いま・ここ」の直接経験から見えてくるのが「生き方」だ。


夢の強要。その罪と害

犯行の凶器は、「夢」でした。タチの悪い悪意無き共犯者たちによる「夢を持て」の大合唱。その陰に隠れて黙殺されてきたドリーム・ハラスメントという実態。数々のインタビュー・文献調査から浮き彫りになったのは、夢を持てずに苦しむ直接的被害者と、意外な間接的被害者の存在。誰も夢から逃れられないのに、誰も夢の持ち方は教えてくれない。夢に支配されない生き方も提示されない。只々「夢は善」と妄信させるだけ。夢を持てないとヒトは死ぬのか。そんなにも社会は生きづらいのか。教育関係者自らが、教育界の長年のタブーをえぐり出す。


【目次】
はじめに
第一章 夢に食い殺される若者たち
第二章 職業以外の夢が認められない異常
第三章 タチの悪い悪意無き共犯者たち
第四章 夢を持たないとヒトは死ぬのか
第五章 それでも夢を持たせたいならば
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yutaro13

32
いつのまにか夢を持つことが善とされ、夢を持てない多くの若者が苦しめられている。私自身、明確な夢を持っていなかったタイプなので、夢を持つことを強制される苦しさはわかる(就活の「自己PR」や「実現したいこと」の中身のなさといったら)。夢の強制とはいうが、国も教師もキャリア教育の一環として、善意として夢を持たせようとするのだからなかなかタチが悪い。夢を持つことはもちろん悪いことではないが、夢を持たない加算型のキャリア・生き方も共存できる社会こそが「夢」のある社会との意見には同意。簡単ではなさそうだが。2020/10/05

ステビア

25
夢なんてなくてもいいんじゃよ2021/12/15

テツ

19
「人は夢を抱かなければならない。夢を叶えるために生きていかなければならない」 そんな美しい呪いの言葉によって今までどれだけの純粋な若者たちが苦しんできたか(ぼくは不純なので微塵も苦しんでないが) 人は、生物は、たまたま存在してしまったから出来るだけ存在を維持しようとしているだけであって、その中で小さな幸福や快楽でもあれば万々歳な筈なのに、不必要な重荷を背負わせるべきではない。夢を原動力にできる方々が勝手にやる分には構わないけれど、どんな間柄であれその幻想を他者に強いてはいけない。2021/12/15

Satoshi

12
思春期の娘の進路相談する際に疑問に思っていたことを本書は明確に示している。夢なんて様々な形態があるはずなのに、職業的な夢のみがクローズアップされて、若者に強要されていることの異常性。若者に充分な雇用を提供できない社会が若者に責任転嫁するために夢を持てと教育する。2022/01/20

長岡紅蓮

12
僕自身、夢と言われて咄嗟に思い浮かぶ夢がないのでこの本のタイトルを見て心のモヤモヤを晴らしてくれるのではないかと読んでみました。 本来、夢を持つことは他人に強制、強要されることではなく、個人が自由に持つことが許されるものだ(持たないという選択肢もあっていい)。「夢を持とう」というメッセージはとても素敵に思えるが、夢を語ったときの他人からの嘲笑(お前がそんな夢叶えられるわけがない。そんなのが夢なのか)を考えて夢を公言することが憚られたり、夢の不所持や規模から劣等感を抱いてしまうという危険性もある。2020/08/24

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