内容説明
折口信夫の生誕130年を記念して復刊した本書は、昭和22年から28年9月の逝去まで、折口の晩年7年間を共に生活した著者による追憶の書である。折口信夫の生きる姿をまざまざと写し出すその鮮烈な印象は21世紀の現在もいささかも古びることがない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
28
長野県との関りでは、1950年の11月には、信州洗馬村の長興寺に泊って、東筑摩郡教育会西南支部のために、3日間「源氏物語」の講義をされた折口先生(154頁)。 なんとなくいつも怒ってそうな折口先生のお姿が想像できる。私に近いパーソナリティなのだろう。先を見越しての怒り(165頁)などは、これからの被曝の健康被害、生命の破壊に通じるものがあるかもしれない。 2018/03/02
私的読書メモ3328
2
文学史的に、また学術的にも非常に貴重な記録でしょう。学問・短歌のどちらについても、期待していたその仕事ぶり、方法についての記述はほとんどなかったので、そこは少し残念でした。それにしても、私からするとたった祖父の代の昔ですが「師弟」という関係について、途轍もない隔世の感があり、そこに世の無常と、過ぎ去ったものへの寂寞の念を呼び起こされずにはいられませんでした。2017/12/30
1131you
0
面白い部分と退屈な部分の差が顕著だった。作者や折口信夫の人柄が表れてる部分は面白いけど第三者との交流はいまひとつ(主に知識不足でその人が誰かよくわからないから)2022/09/03