内容説明
京都・武士・天皇と聞くと、「武士が、天皇と京都を脅かしてきた」歴史が想像されるかもしれない。しかし、事実はまったく逆だ。京都を危険に晒してきたのは、後鳥羽・後醍醐ら一部の天皇であり、その復興は源頼朝から信長・家康に至る武士がつねに担ってきた。いったいなぜ、武士は京都を護り、維持してきたのか!? 天皇と京都をめぐる一二〇〇年の「神話」を解体し、古都の本質へと迫る意欲作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
25
端的に言ってしまえば天皇が住んでいない京都御所をどうするか?ということである。京都に住んでいた頃の内裏(天皇の住居)は今の京都御所ほど大きくはなく、天皇家の分裂問題(南北朝時代)もあり何回も焼失したのだった。内裏が再建されはじめたのは、室町時代の3代将軍義満のときに南北朝が統一されて義満の威厳の為に天皇の後光を利用したのだった。武士が天皇の敵として存在した時代もあったが、その後の権力を手にした武士は天皇を味方に付けた。それで御所を再建したのは時の権力者の誇示のため、それが明治になって天皇制に利用された。2021/01/08
Toska
21
『平安京はいらなかった』同様の攻めたタイトルだが、本書の主題は京都そのものではなく御所だから、『京都を壊した…』はちょっと反則気味。一般書を書き慣れたせいか、文体がやや軽くなっているのも気になる。内容は面白いです。京都がその主である天皇に振り回され、平安京時代からは想像できないほどの変貌を遂げていき、武士がその尻拭いをする歴史的パターン。凝り固まった京都イメージを解きほぐすためには、こういう歯切れよい語り口調で丁度いいのかもしれない。2024/09/29
ぽんすけ
18
今はまってる桃崎先生著の一冊。タイトルがインパクトありすぎる。ここでまず惹きつけられて上手いなと。中身もわかりやすく解説してくれてとても面白かった。明治維新までの武家政権が決して朝廷を滅ぼし成り替わろうとしなかったのは、古代から続く「官位」が普遍的に個人の価値を計れる唯一の座標系だったからというのが、なるほどなと思わせられた。天皇は官位発行源、朝廷は官位管理機関としての唯一無二の価値があったのだ。そのため武家政権は彼らと彼らの活躍場所である内裏機能を守ろうとしたのに、内裏に火をつけて灰塵に帰す真似をしたの2024/12/25
六点
15
某小説家が飛鳥時代を「皇宮移転時代」と言ったらしいが、平安京大内裏廃絶後の京都は飛鳥時代より広範囲に皇居が移転しまくっていたのである。自分の都合で平気で皇居に放火する皇族や公家、天皇と、権威を天皇に依存する武士がその都度必死になって費用をかき集め皇居を再建する苦心惨憺ぶりに涙を禁じ得ぬ。どうでも良いが、ぬこ田は前回の府知事選挙で現職の候補に投票したのであるが、マニフェストの「皇族方の京都常住」に爆笑しつつ票を投じた。無論、東京政府に黙殺されつつある。2020/06/30
fseigojp
12
中世後期が茣蓙さんなら、古代後期から中世前期はこの人2023/09/15
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