内容説明
離脱した英国、極右と戦うドイツ、そして極右政党が台頭するフランス、オランダ、イタリア……。2020年、欧州にいま激震が走っている。現体制の破壊を目指すポピュリズム革命という病が、所得格差の拡大やグローバル化、移民・難民の増加、重厚長大産業の衰退、伝統的な政党に対する市民の不満を「栄養」として、各地で増殖しているのだ。それは、かつての共産主義と同等、いやそれ以上の脅威ともいわれる。在独30年のジャーナリストが、欧州情勢の最前線をリポートし、その深層を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
史
2
こういう本の面白いなあって思うのは、その拒絶、否定していることと似たようなやり方をしているということなんですよね。まあ極端と極端の対立が増える世の中になるのも仕方あるまい。世界は安全圏にいる人たちの理想論通りにはいかないということ、その理想が結果的に反動を生んでいるということ。なんとも。2020/06/14
achilles_tortoise
2
30年間ドイツから欧州を見ている著者による欧州状況解説。欧州在住日本人という立場からリベラルな視点となっているが、共感を持つ日本人が多いだろう。SNSでの過去の言動沈静化を図ったジョンソンのバス模型発言、旧東独と西ドイツの生活水準格差などに起因するナショナリズム・ナチズムへの見方やAfDの支持率、メルケル首相による2015年の難民受け入れのインパクト、ドイツにおけるナチスの「過去の遺産」への向き合い方、緑の党の環境分野以外での主張など、欧州在住ならではの新しい視点に触れることができる良書。2020/06/02
くるた
1
最近ヨーロッパが右傾化してるらしい。本書ではイギリスとドイツの例を挙げてますが、どちらも似たような流れなんですね。国内の格差と移民の流入が引き金に。昔ながらの保守と違う手法を使って、極右たちが国民を惹きつけてる。でもやっぱり、恐怖心を煽るやり口やフェイクニュース・歴史改竄なんかは、国民がそこで引いちゃう感覚を持ってないと。メルケルの移民政策はもう少し上手くやれなかったんだろうかと残念です。メルケル好きなので。ドイツのナチ嫌悪って、絶対的なものじゃないんだ。あれだけやっても足りないのか。2024/02/11
お抹茶
1
ブレグジットの影響やドイツにおけるAfDの伸長から見えるドイツ社会を手軽なサイズで読める本。EUの改革は口約束のまま欧州法が生活の至るところに浸透していることに対して庶民は不信感を抱いていた。ブレグジットで,EUの資金の規模は大きく減り,補助金やインフラ整備資金を受け取っている東欧・南欧諸国は痛手になる。市場原理を重視し財政出動に否定的なEU北部諸国の発言力が弱まる。ドイツでは,極右による凶悪な殺人事件が連続発生し,政治家がナチスを肯定する発言をするなど,社会が変化している。2020/06/11
ぴょぴょん
1
ブレグジットについて調べる過程で、本書の前半のみ読了。ジャーナリストらしい文体で、イメージ豊かにやさしく語ってくれる。ブレグジットに至るまでのイギリス社会の変化について、少し理解が深まった。2020/12/22
-
- 電子書籍
- 老害ガール(分冊版) 【第4話】 よも…
-
- 電子書籍
- もっけの幸い~ダメな男にサヨナラします…
-
- 電子書籍
- 嵐士くんの抱きマクラ ベツフレプチ(2)
-
- 電子書籍
- コロシアムIII 電撃文庫
-
- 電子書籍
- 死神とチョコレート・パフェ(2) ドラ…