集英社新書<br> ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

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集英社新書
ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

  • ISBN:9784087211245

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内容説明

一連の「国語」改革は何が問題なのか? 東大文学部の有名教授陣による、緊急講演録! 大学入試改革や新学習指導要領の公示により、「国語」をめぐる様々な変更点が注目を集めている。「論理国語」「文学国語」といった区分が新たに誕生し、新・大学入試共通テストでは実用的な文章の読解が増加する見込みである。また、それに連動する形で、高等学校の「国語」からは文学の比重が減ることが予想されている。このように「実用性」を強調し、「文学」を特殊な領域に囲い込もうとする大学入試改革・教育政策はいかなる点で問題なのか。その変化の背景にある、日本社会全体に蔓延した「ことば」に対する偏った見方とは何か。そして、なぜ今の時代にこそ文学的知性と想像力が重要なのか。東京大学文学部の5名の有名教授陣が、各専門の立場から問題意識を熱く語った、必読の講演録!

目次

はじめに(安藤宏
国文学研究室)
第一章 「読解力」とは何か――「読めていない」の真相をさぐる(阿部公彦
英語英米文学研究室)
第二章 言葉の豊かさと複雑さに向き合う――奇跡と不可能性の間で(沼野充義
現代文芸論研究室・スラヴ語スラヴ文学研究室)
第三章 ことばのあり方――哲学からの考察(納富信留
哲学研究室)
第四章 古代の言葉に向き合うこと――プレテストの漢文を題材に(大西克也
中国語中国文学研究室・文化資源学研究室)
第五章 全体討議
おわりに(安藤宏)
資料

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

katsubek

31
「言語はツール」という魅力的な言い方に、つい絆されてしまうが、いかんいかん。言葉は世界を在らしむるものであった。言葉があるからこそ、「我」が存する。なんたって私たちは言葉で考え、言葉で感じ、言葉で愛し、言葉で生きるのだから。哲学的考察は文句なしに面白かった。かけがえのない言葉の存在を、もう一度根本のところから問い直してみたい。センター試験出典の著者による問題解説(?)も非常に興味深い。「国語」とは何か、「論理」とは何かということに、今、私たちは真剣に向き合わねばなるまい。未来の日本語のために。2021/05/16

きいち

26
ことばの意味はひとつではない、資料や事務的な文もその正しさは一定の文脈のもとでしかない、今回皆が否応なくトレーニングさせられているように、不確実で曖昧で複雑なものを複雑なまま考える必要があるこれからの時代に、この入試を目指す国語教育ではいかんだろう。その危機感はとてもよく伝わる。◇…のだが、何だかとてもモヤモヤする。基礎的な訓練がないと空中戦になる、その基礎の部分と到達目標の議論が混ざっているようで。◇一人目・阿部の「読解力がない」の考察がいい。読めていないのは、書き手や他の読み手の問題でもある。まさに。2020/08/13

yhirose254

9
メジャラブルにもカウンタブルにもなりたくもなく、いわんやマネタイズなど御免だった。計数される読解力、そして『日本における本質的な問題は、・・政治家に限らず、企業や様々な組織の責任を負う立場の方々が、・・回答は「控えさせていただく」・・何かが「問題ではないか」と訊かれても、「適切に対処しています」・・具体的なことを訊かれると、「個別の条件についてはお答えを控えさせていただきます」・・大人たちがこんなことを国会や記者会見で平気でしている世の中で、子供たち・・(p76)』に何を残すのか。ガッテン、ガッテンの好著2020/10/16

虎哲

8
大学入学共通テストの「根本的な問題は、「実用」と「情報処理」に力点が置かれるあまり、本質的な思考力、つまり言葉を通して世界の成り立ちを考えていく「人文知」がなおざりにされてしまう点」(9-10頁)であるとして、立ち上がった文学部企画シンポジウムの書籍化。阿部先生による「読解力がない!」という状況が生じる10の原因提示、納富先生の言葉をツールとする態度への批判と「ことばは私自身でである」という問題提起、沼野先生・大西先生による問題分析と盛り沢山と見どころが多くあった。危機意識による国語科教育コミットの好例。2020/07/21

KUMYAM@ミステリーとSFF推し

6
英語学習についてはついつい「英語はツール」なんて言ってしまいがちなのだけど、人間のことばというものはそんな無味乾燥なものではない、と再確認できた。2020/07/23

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