幻覚剤は役に立つのか

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幻覚剤は役に立つのか

  • ISBN:9784750516370

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内容説明

『雑食動物のジレンマ』『人間は料理をする』で知られるジャーナリストが自ら幻覚剤を体験し、タブーに挑む!

今どんな幻覚剤の研究がおこなわれているのか。
幻覚剤は脳にどんな影響を与えるのか。
そして、医療や人類の精神に、幻覚剤はいかに寄与しうるのか。

「不安障害」「依存症」「うつ病」「末期ガン」などへの医学的利用の可能性と、“変性する意識”の内的過程を探る画期的ノンフィクション。

ニューヨークタイムズ紙「今年の10冊」選出(2018年)、ガーディアン紙、絶賛!

一部の精神科医や心理学者が過去の幻覚剤研究の存在に気づき、発掘を始めたのは最近のことだ。
彼らは現代の基準で再実験をおこなって、その精神疾患治療薬としての可能性に驚愕し、(中略)幻覚剤が脳にどう働くのか調べはじめた。
――幻覚剤ルネッサンスである。(宮﨑真紀)

【目次】
プロローグ 新たな扉
第一章 ルネッサンス
第二章 博物学――キノコに酔う
第三章 歴史――幻覚剤研究の第一波
 一  有望な可能性
 二  崩壊
第四章 旅行記――地下に潜ってみる
 トリップ一 LSD
 トリップ二 サイロシビン
 トリップ三 5-MeO-DMT(あるいはトード)
第五章 神経科学――幻覚剤の影響下にある脳
第六章 トリップ治療――幻覚剤を使ったセラピー
 一  終末期患者
 二  依存症
 三  うつ病
エピローグ 神経の多様性を讃えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

60
なんと面白く、なんと刺激的な本だろう。幻覚剤について医学の効能を説明するだけに留まらず、知覚への影響や潜在性、宗教/スピリチュアルと科学の橋渡し的役割まで、タブー視されてきた世界に深く鋭く切り込んでいる。依存性が高い危険薬物と一緒くたにされてきた幻覚剤が、精神世界のフロンティアを拡張・探訪するための可能性を秘めていると説いた名著。ドラッグについて書かれた本を気軽に手にした結果、人間の遠大なる内面世界を知ることになるとは思いもしなかった。こちらもノンフィクションながら今年度のベスト候補。2020/05/25

よしたけ

56
幻覚剤によるさまざまなトリップ現象が語られ、試してみたいとまでは惹かれなかったが、こんな世界があるんだと勉強に。過去にはLSDを含むドラッグは認知能力等を大幅に高める薬、精神疾患に効く薬として、米国で大量消費されたと聞くと隔世の感を感じるとともに、麻薬の合法効果が進むなど、揺り戻しも感じる。いわゆる麻薬だけではなく、痺れキノコなど、種類も多種多様だ。麻薬なんて自分の生活とは関係ないとたかを括っていたが、奥が深く人類の歴史で果たしてきた役割も確かにあったことを理解できた。2022/04/12

carl

22
幻覚剤は、よく聞くドラッグとは違うようだ なんだかんだ言って幻覚剤を使用したいんじゃない?って感じだった 情報大でした 2022/05/09

くさてる

21
誠実な語り口やバランスの取れた観点などが好きで、これまでに翻訳された著者の本はぜんぶ読んできた。これまでは食物や自然をテーマにしてきた著者がなぜ「幻覚剤」をテーマにしたのか疑問だったけど、読み進めていくうちに納得。幻覚剤が人間に与える影響とその歴史を丁寧に紐解き、自身の体験も紹介する姿勢は、これまでの本と変わりがない面白さと誠実さだと感じました。それでも時々は「大丈夫かなポーラン」と思ってしまったのだけど、それだけ内的世界で感じることの言語化と共感には難しいものがあるのかもしれない。面白かったです。2020/08/22

zoe

20
How to Change Your Mind (2018). オリバー・サックス先生のミュージコフィリアから再び始まった本読みの旅も終盤を迎えました。何故、我々がものを考え、体を動かすことができるのか、それは化学物質が体の中を駆け巡っているから。幻覚を生み出す化学物質は、安全性に配慮し、厳密に評価することで、医薬品とすることができるかもしれないと多くの人が考えていることが分かる。2020/11/22

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