内容説明
官吏の登竜門である科挙の試験に生涯落第し続けて、その鬱屈をバネに幻想怪異譚『聊斎志異』16巻を書いた、清代の蒲松齢。著者・安岡章太郎は、己れの屈折した戦時下体験をこの作者に重ね合わせつつ、回想小説風に筆を進める。時代と社会と個人の根っこの関係を自在に描いて、人間存在の不可思議な面白さを生きいき剔出する。後の『流離譚』などの作品とも通ずる名篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sputnik|jiu
4
蒲松齢の『聊斎志異』は読んでいたが、彼が何年も科挙に落第し続けていたというのは知らなかった。蒲松齢の報われない人生と著者自身の体験がリンクしているようでもあり、そうでもないようでもあり、ふわふわとした好い心持ちになる小説だった。2024/10/06
kanikakuni
1
南禅寺にこもって小説を書いている「私」の回想が、清の怪異集、聊斎志異と重なりながらつづられていく。冒頭とラストに登場する、岡崎の観世会館のとなりの不思議な建物の挿話が印象的で、全体をひきしめている。2019/01/19
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