内容説明
眠ることのない街、東京・渋谷の通称・公園通り――。日が落ちるころ、猫たちが目をさまして、この坂道の街に姿を見せはじめる。ケンカの滅法強いボスの太郎、恍惚の女帝・アマテラス、スペイン坂のカルメン、心やさしい巡査、新ボスの虎丸に、旅の途中のジャイアント・タビ……。苛酷な環境を生き抜く「自由猫」たちも、この街の住民なのだ。自由な猫と人との交流記! 第6回講談社エッセイ賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どぶねずみ
23
著者が脚本を勤めた同名の映画を鑑賞後、原作があるか調べて手に取った本だったが、本書は小説ではなくドキュメンタリー性の強いエッセーだ。(映画はかなり作り込んでいた) 1980年代の渋谷にこんなに野良猫が多く存在していたのかと知って驚いているが、渋谷の猫たちとの密着度にも脱帽。とても映画では描けないところまで切り込んで書かれていることや、野良猫についての受け入れがたい現状については胸ぐらを捕まれたような気分だ。それでも野良猫は減らないし、猫と共存していかなくてはならい。2023/03/29
Gen Kato
2
「天敵」の章。読んでいてつらい。この本が出版されたのは平成のはじめ。猫たちの「天敵」である「人間の思い上がり」は現在も改善されていない…2016/02/13