内容説明
ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて「神様当番」と太くて大きな文字が書かれていた!突如目の前に現れた「神様」を名乗るおじいさんのお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?「お当番さん、わしを楽しませて?」幸せになる順番を待つのに疲れている印刷所の事務員、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、大学生の崩れた日本語に悩まされる外国語教師、部下が気入らないワンマン社長。奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか主人公たちの悩みも解決していて……。笑えて泣けるエンタメ小説です。大人気ミニチュアアーティスト・田中達也さんがカバー写真を制作。第1回宮崎本大賞を『木曜日にはココアを』で受賞した、青山美智子さんの最新作です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
716
楽しいと思う日常には、勇気を持てる自分には、そして満足できる人生とするには、”最初の一歩”がまず必要です。『誰にも頼まれてないけど。誰にも褒められるわけじゃないけど。一円にもならないけど。この世をおもしろがるのって、こんな小さいことからでも充分いいのかもしれない』、ほんの少しでも”最初の一歩”を踏み出すこと。それこそが、その先に待つ未来へ私たちを導くものなのかもしれません。「ただいま神様当番」。優しく穏やかに語られる物語の中で、気づきの機会と”最初の一歩”の大切さを教えてくれた、とても印象深い作品でした。2020/12/16
kou
704
どの話も面白く、心が温かい気持ちになり「明日も頑張ろう!」って思える読後感だった。自身でも気付いているけど出来ない事、ホントはやりたいのに気付けてない事が多々あると思う。神様当番になって背中を押してもらえないかなぁ・・・って他力本願すぎるかな(汗)。シリーズ化すると良いな。もっと色々な神様当番の奮闘を読んでみたい!2020/11/02
しんごろ
653
良く「きっと、どこかで神様が見てるよ」と言うよね。ホントに神様いたよ。お茶の水博士の鼻を低くした神様が…。神様の願いを叶えるだと~、神様が願いを叶えてくれるんでないのかい。そんな神様、とんだ曲者だったわ。神様の願いを叶える当番になった人達、気づきをもらって生き生きしてたね。坂下という町から、確実に一歩一歩、前進していった。間違いなく笑顔いっぱいで幸のある人生を歩んでいくんだろうな。それにしても神様当番と太字で腕に書き込むのは、神様、おふざけが過ぎますよ。人と人、神様と人、しっかり繋がりめでたしだね。2020/12/15
けんとまん1007
607
人は思いを持ちながら、なかなか一歩が踏み出せなかったり、自分の本当の思いを誤魔化しながら日々を過ごしていたりする。そんな殻を破るキッカケがあれば、踏み出せる。そして、後から振り返ると、ちょっとしたことだったと気が付くことが多い。まさに、自分たちにも、そんなところがある。そんな5人を巡るストーリーで、微妙につながっているのが青山さんらしい作品。こんな神様がいたら、面白いかなあ~・・・微妙かも。2020/10/06
メリー
544
ただいま神様当番 短編が連続するほっこり可愛い愛嬌のある神様話が、五話続く。こんな神様が、ひょっこり現れたら、周りがみんな幸せを感じるだろう。その過程が面白く楽しい。今度は何処へ現れるか、『わし、神様』と言う表情が見える様な心と目頭の温まる物語りだった。2020/10/16