内容説明
この身が滅びようとも、佳乃を救いたい――。だけど、
《それだけを願っても救われないことは分かっていた》
花菱准汰の日常は、起きる⇒学校へ行く⇒遊ぶ⇒寝る。ただそれだけ、省エネで適当であることは彼らしさだった。渡良瀬佳乃は真逆。作業BGMでも、この作業に聴く音楽コレ、食べ物のベスト温度はコレと超が付くほどのこだわり派。
そんな2人はとある補修を通じて出会い、恋にも似た感情を抱くようになる。が、佳乃は謎の奇病に伏すことに。……しかし、奇跡は起きた。彼と彼女は他人となり、性格も変更され、生きることが許された。
――両思いが故にすれ違うことを選んだ、最高に美しくも儚い命の物語。
【電子限定!書き下ろし特典つき】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
43
省エネで適当な日々を過ごす花菱准汰。彼が卒業に必要な補習のために向かった美術室で、ただひとりの美術部員・渡良瀬佳乃と運命の出会いを果たす青春小説。准汰が目をそらせなかった絵に真っすぐに向き合う佳乃の姿。不器用な佳乃がずっと抱いてきた悔恨とずっと忘れなかった幼き日の約束があって、一見正反対な二人が育んでゆく不器用な想いは何とも儚くて、彼女を大切に想う人たちの優しい願いはひとつの未来を垣間見せてくれましたけど、何よりも大切な人のために祈ってしまう人たちのがもたらした結末が、何とも切なくて印象に残る物語でした。2020/06/24
オセロ
32
主人公の准汰もヒロインの佳乃も他のキャラクターも不器用すぎるよ…。 もっと早く行動していれば、もっと早く想いを伝えていれば、もっと早く本当のことを伝えていれば。 閏年の2月に現れるどんな願いを叶えるというスノードロップにその気持ちを込めるも、その代償の残酷さに胸が締め付けられそうでしたけど、ここまで相手のことを想う気持ちは紛れもない純愛だと思います。2023/10/07
稲荷
28
表紙買い。儚さがあってすごくよかった。最初は文章がやや多めに感じたけど、内容が良いから途中から気にならなくなった。また読み返したい。ベタチョコ食べてみたいなぁ…2021/02/01
ツバサ
28
序盤から終盤まで章を重ねるたびに胸が苦しくなる青春の物語。明るい話ではないが、決して暗い話でもない。とても味わい深い作品でした。何度だって読み返したい。みんなが優しいからこそすれ違う。だけど悲しみの奥に暖かさがあって素晴らしかったです。2020/06/26
rotti619
23
目標も持たず怠惰に過ごしていた花菱准汰が真面目で偏屈な美術部の後輩渡良瀬佳乃と出会う所から始まる交流のお話。なのだが、4年に一度訪れるスノードロップ彗星に願いを託す事で得られる物・失う物を通じて、儚い幸せと切なく・悲しい思いを呼ぶ物語となっている。特にヒロイン渡良瀬の生き方については、そのいじらしさと不器用さがどうしようもなく感情移入を呼び、その終わり方もどこかビター感の残る後味となっている。この作品は発行されてからかなり経つが、名作と呼ばれるだけあって、一度読んだら頭から離れない、そんな内容だった。2023/04/11
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