内容説明
原宿あたりにたむろする若者たち8人、それぞれが広告、カメラマン、イラストレーター、スタイリストなどという職業を持つが、不安定なフリーとして生活をしていた。そんな彼らに、房総半島の先端の町から、地域おこしの相談が持ち込まれた。
その町は、どうみても魅力がなく、観光客が行きそうもない場所だった。彼らは苦肉の策として、「里見八犬伝」の伝説を利用することを思い立つ。
さらにストリーを練り、戦時中の供出ダイヤモンド、そして徳川の埋蔵金にまで話しを広げる。
空想だったものに、大手のデベロッパーが食いついてくる。そして戦国時代、江戸初期、そして戦後と膨大な物語が展開される。半村良の青春群像小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうけん
8
<姓>昔読んだ半村良の作品『岬一郎の抵抗』というSFの登場人物の中に,姓が僕と同じ「大○多」という奴がいる. 僕の姓は割と珍しくて,小説などの大衆メディアで活字になっているのにはこの本で初めてでくわした.本書『戦士の岬』を読むキッカケはそういう事だったのだが,内容はその岬一郎とは全く関係なかった(笑) ところがだ,これがめちゃ面白いのだ.ジャンル的には強いて云えば「青春物語」かな. 主要登場人物に清水義男というおかまがいる.これは言わずと知れた半村良の弟子清水義範からきていることには間違いなかろう. 2020/05/12