移民の世界史

個数:1
紙書籍版価格
¥2,860
  • 電子書籍
  • Reader

移民の世界史

  • ISBN:9784487812547

ファイル: /

内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

人の移動。
アフリカで生まれた人類の祖先が、世界各地へと移動しはじめた時からはじまり、古生物学、人口統計学、地理学、社会学などさまざまな学問の研究対象となり、今現在、激しい政治的論争のテーマとなることも少なくない。
本書では、人の移動を44のテーマに分けてみていき、その全体像をとらえていく。それは、奴隷や虜囚、難民といった強制的なもの、新天地を求めて動く自発的なもの、国家の独立や分離といった政治的な争いから引き起こされるものなどさまざまである。加えて、仕事を求めて移動するケースもある。現代のヨーロッパにおける移民や中東諸国での労働力を担う東南アジア出身の労働者たちなどがあてはまる。なかには、国が外貨獲得のため「労働力」の輸出を推進するケースもみられるし、高等教育を受けて、高い技術力を持った優秀な人材が出て行ってしまう「頭脳流出」という問題を抱えた貧しい国もある。
また、移民が住む国では古くからの住民と様々な場面で競合が生じ、また従来の生活様式や文化との摩擦も生じることがある。こうした脅威は実際より大きくとらえられることも多いが、移民、とくに不法移民を規制する試みは切実な問題であり、これらについても論考している。
さらには、音楽、ノマド、伝道者、巡礼者、兵士、探検家、留学生、こども、退職者、旅行者などさまざまなテーマを取り上げ「人の移動」のすべてをとらえる前代未聞の歴史社会学書。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

35
移民の歴史を4部44テーマという形で取り上げ、人の移動がどのような理由によって引き起こされ、どんな経緯を辿ったのかを解説した一冊。古くからある宗教を絡めた人の移動、近世の西洋の奴隷貿易やアジアの年季奉公人といった強制移動、国を巡る事情で突然状況が変わり振り回され行き場を失う人々、移民の増加や内戦による難民発生など、様々なアプローチから分かりやすく紹介されていて、世界の人の流れが現代の生活に付随する様々なものの流れと同じようなものになりつつある中、これからどのような流れが生まれるのか今後の動向に注目したい。2020/06/06

Satoshi

10
民族の移動をテーマに纏めた資料集。人々が移動する理由は様々であり、世界史の大きなイベントになっている。可視化されたデータと解説が分かりやすく。ニュースを見ながら読むのがおすすめ。2022/01/01

由佳

3
人の移動の資料集。新しいデータや視覚資料も豊富で、トピックが多いにも関わらず、それぞれに理解を深めることができた。やはり人々の移動には経済的な要因が強く結びついていることが多かった。人の移動、異文化の出会い、そこで起こる化学反応が現代を形作ってきた。この本には載っていなかったが、きっと現在のコロナによる移動制限は将来世界史の教科書に載るだろうなと思った。移動や面会を避ける新しい生活様式と、地元に根ざし真に価値のあるものを見直す原点回帰的な価値観が、今後世界にどのような影響を与えるのだろう。2020/07/17

お抹茶

2
近現代の記述が中心。ゲルマン民族の大移動や内陸アジアの移動はほぼ言及せず。体系的な構成ではない。イギリスの植民地で奴隷が解放された後,インド人の年季奉公人が代わり,大半はインドに帰らず,その子孫が多くの社会で大きな成功を収めた。フィリピンは,介護士,ベビーシッター,看護師,船員として労働力を輸出する。交易ディアスポラで有名なのがレバノン人で,ニッチ市場を切り拓いて成功。戦後のイギリスではカリブ海地域出身者の後,南アジア出身者が増えた。貧しい国からの医療従事者の移動も多く,送出国では育成費用を回収できない。2024/05/05

ゆる言語学徒Nk

1
奴隷が禁止になっても労働力は欲しい 契約を結べば奴隷でない 年季奉公人 契約は名前さえ書けばいい 2023/10/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15295178
  • ご注意事項

最近チェックした商品