ちくま文庫<br> 土曜日は灰色の馬

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ちくま文庫
土曜日は灰色の馬

  • 著者名:恩田陸【著】
  • 価格 ¥715(本体¥650)
  • 筑摩書房(2020/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480436474

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内容説明

恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか? その耳では、どんな響きを感じているのか? どんな言葉で語るのか? 軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。

目次

硝子越しに囁く
Ⅰ 面白い本はすべてエンタメ
マンダレーの影 ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』
一人称の罠
喪失について ロバート・ネイサン『ジェニーの肖像』
深化する 小川洋子の小説
ブラッドベリは変わらない レイ・ブラッドベリ『塵よりよみがえり』
『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』を再読する 植草甚一について
空豆の呪い ジャック・フィニイ『レベル3』
深夜の機械 スティーヴン・キング『ダーク・タワーⅡ 運命の三人』
カバンに本とぐいのみを入れて
期待と妄想のあいだ、あるいは「工場の月」
我々の外側にいるもの 山田正紀『神狩り2 リッパー』
一九七〇年の衝撃 星新一『声の網』
昭和のアリバイを崩した男 松本清張『張込み』
「『藪の中』の真相」についての一考察 芥川龍之介「藪の中」
残月の行方 内田百〓「柳 校の小閑」
演出から遠く離れて 久世光彦『百先生 月を踏む』
ケレンと様式美、スター三島に酔いしれたい。 三島由紀夫『春の雪』
『鹿鳴館』悲劇の時代 三島由紀夫『鹿鳴館』
エスピオナージュからビルドゥングス・ロマンへ 佐藤優『自壊する帝国』
とある単語における一考察
高度な技とセンスの凝縮作品 『清水義範パスティーシュ100』
伝奇小説が書きたい
挿絵の魔力
恩田陸・編 世界文学全集
Ⅱ 少女漫画と成長してきた
反復する未来の記憶のはざまで 萩尾望都『バルバラ異界』
恐るべき少女たち
いかにして「引き」は形成されたか
内田善美を探して
Ⅲ 暗がりにいる神様は見えない
おはなしの神様は一人だけ ドラマ『24』
ビヨンセが、えらい 映画『ドリームガールズ』
うろおぼえの恐怖 映画『フォース・カインド』
娘たちの受難 演劇『エイミーズ・ビュー』
ある事業継承の失敗 演劇『リア王』
リアリティとリアリズムの狭間で 映画『カミュなんて知らない』
「面白さ」の定義を拒む面白さ。 映画『チェイサー』
アイドルの流謫 ビートルズについて
初出一覧
あとがき
文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

だまだまこ

55
エッセイや書評をまとめた1冊。恩田さんがこれまで読んできた本や漫画は知らないものばかりだったが、その感想が面白くて退屈せずに読めた。特に印象的だったのは、映画『フォース・カインド』の感想の中で触れられた「こわい」について。「今にして思えば」や「誰かに聞いた話なんだけど」のなんとなく始まる話がこわい、というのは恩田さんの小説を読んでいて感じることだったのですごく腑に落ちた。今まで出会ったことのなかったジャンルの小説も読んでみたい思った。2020/11/09

ダージリン

42
小説・少女漫画・映画とそれぞれ章にまとめて書かれている書評メインのエッセイでした。普段は自分の知らない作品は読み流しがちなのに、恩田陸さんのは語り口が上手過ぎて、身を乗り出して聞き入ってしまう感じになります(笑)。恩田ワールドを形作るものに興味深々。少女漫画の章が特に好きですね!2020/04/01

コジ

31
★★★★☆ 恩田陸が影響を受けた「物語」を紹介、解説するエッセイ集。作家が影響を受けた小説、演劇を紹介するのは興味がある反面「普通かな?」と思った第一部と三部。その反面、少女漫画を紹介した第二部では、著者の着目点や分析力、そしてそれを語る様子に熱いものを感じ(笑)、ここで紹介された数々の作品の中で今の恩田陸を構成しているは、ほとんど少女漫画ではないかとだと思えた。2020/05/30

緋莢

24
文庫解説等を中心にまとめた「面白い本はすべてエンタメ」、これまで読んできた少女漫画について書いた ものを集めた「少女漫画と成長してきた」、映画や演劇について書いたものを集めた「暗がりにいる神様は見えない」で 主に構成されているエッセイ集。その前に「硝子越しに囁く」は、小説風味もあるエッセイで、この中で「方違え」と呼んでいる、会社から家にまっすぐ帰れない時に寄る場所についての連作短編も面白そうなんですが、恩田さんが書くと不穏なものになりそうだよな~と(続く2022/01/12

山田太郎

24
少女マンガ読まないので、後半読み流した。本が好きなんだなということで、そのあたりが桜庭一樹と同じ箱の中という認識というか。なんか面白いけど、とっちらかったというか風呂敷畳んでない作風が何となくわかる気もするなと思いつつ読む。2021/07/17

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