内容説明
逃亡犯条例反対に端を発した香港デモは過激さを窮め、選挙での民主派勝利、コロナウィルス騒動を経てなお、混迷の度合いを深めている。お気に入りのアイドルソングで気持ちを高める「勇武派」のオタク青年、ノースリーブの腕にサランラップを巻いて催涙ガスから「お肌を守る」少女たち……。リーダーは存在せずネットで繋がり、誰かのアイデアをフラッシュモブ的に実行する香港デモ。ブルース・リーの言葉「水になれ」を合い言葉に形を変え続ける、二一世紀最大の市民運動の現場を活写する。「諦めないでください。手にしている一票を軽んじないでください。個人の力を軽んじないでください。生きている心は誰かを動かせるから。諦めないで努力し続けていけば、いつか必ず成果を得られると、私は信じています。(中略)私には仲間がいます。この戦いは、一人ではなく、仲間がいるから続けられる。それは、香港衆志の仲間、民主派の仲間だけでなく、日本から応援してくれる人も含みます。そんな仲間がいる限り、香港の民主化、市民の権利のために、戦い続けたいと思います。」〈周庭(アグネス・チョウ)、本文より〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
126
日本のニュースを見ているとデモ隊と警官隊が衝突しているところばかりが映し出される。だが本当に肝心なところはそこではないと思う。香港民主化運動の根っこは、19世紀半ばに起きた英国と清国のアヘン戦争以来の因縁だけではない。本土と香港の「現代的な経済関係」にもある。特別な政治志向を持たない属性の人までデモに参加する理由は歴史・政治問題でなく、経済問題にあると見た。あまり目立たないところに書かれてているので、注意深く読んでほしい。2020/08/05
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
103
一国二制度を守り「高度な自治」が約束されたはずの香港。だが、それが簡単に反故にされ、それに反対する学生達が雨傘運動を始める。そして今度は逃亡犯条例に反対した香港人達が再び立ち上がる。このデモも学生などの若い人達が中心だ。だが、雨傘運動の時は非暴力を貫いたデモ隊も今度は過激になり暴徒化していく。今後の香港の行く末が心配だ。雨傘運動のリーダーは「日本には民主主義があるが香港には無い。だから今、僕はここにいて戦っている。日本の若者達は今ある民主主義を大事にして欲しい」と語る。この言葉が印象に残った。 ★★★★2021/02/06
kinkin
101
ワンチャイナと北京語圏の人間が言うと、香港人はすかさずツー・システムと返す。そんな一国二制度もほとんど壊滅された現在。本書では雨傘運動と呼ばれた市民運動からの経過や背景と筆者が感じたことで構成されている。日本は自由で民主主義の国で中国のような状態ではないにしろ政治の腐敗、貧困問題、高齢社会どれをとっても真の民主主義から離れていっていると思う。その日本では60年前には安保そして学生運動というものがあった。今、日本にもそうした若者たちの関心を呼ぶ運動がそろそろ必要ではないのかな。図書館本2021/05/21
かずー
88
著者の取材を通して香港デモの歴史、背景、参加者の思いを知ることができる。香港デモといえば周庭のイメージが強いが、男女問わず普通の学生が命を懸けて中国から香港を守ろうとしている。日本では考えられない。中国はウイグル、台湾、尖閣諸島の問題があり、よいイメージがないが、中国に関する知識をつけたい。2021/06/16
アキ
87
香港の悲しい運命。2014年雨傘運動の時にはまだどこかのんびりした雰囲気があり、警官も素顔で対応していた。2019年ブルース・リー「水になれ」を標語にリーダーなし覆面のデモ隊に、広東語が通じない認証番号もない警官が催涙弾を放つ。中国中央政府にとってGDPに占める香港の割合は3%に過ぎず、特別視する価値もなくなりつつある。2047年に1国2制度は消えゆく運命。それに反するように香港人のアイデンティティーは高まるばかり。更に2020年国家安全法導入のニュースを聞くに及び、香港の未来に暗澹たる思いを禁じ得ない。2020/06/13
-
- 電子書籍
- 妄想シスターでも少年修道士に恋していい…
-
- 電子書籍
- 忍のイットキ -絆-【フルカラー】【タ…
-
- 電子書籍
- 青い豹 3 マンガの金字塔
-
- 電子書籍
- 転生したら武闘派令嬢!?恋しなきゃ死ん…
-
- 電子書籍
- シンデレラの十年愛【分冊】 7巻 ハー…




