ちくまプリマー新書<br> はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密

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ちくまプリマー新書
はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密

  • 著者名:稲垣栄洋【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2020/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480683793

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内容説明

「平均的な生き物」なんて存在しない。個性の数は無限大。唯一無二の生命をつなぐために生き物たちがとってきたオンリーワンの生存戦略。

目次

一時間目 「個性」とは何か?
雑草を育てることは難しい?
遅く出る芽に価値はあるのか?
自然界は個性にあふれている
タンポポの花の色に個性がない理由
必要だから個性はある
ジャガイモの悲劇
「個性」のまったくない世界
個性と社会性
たった一つの個性
個性の数は無限大
九八パーセントのDNAの役割
自分以外にはなれない
二時間目 「ふつう」とは何か?
人間はたくさんが苦手
人間の脳の限界
「たくさん」を理解する方法
人間が作り出した「ものさし」
均一化される世界
比べるためのアイデア
自然界のばらつき
「ふつう」という幻想
はずれ者が進化をつくる
違うことに意味がある
ものさしで測れるものと測れないもの
三時間目 「区別」とは何か?
本当は何の区別さえもない
富士山はどこにある?
境界を引いて区別する
人間とサルとの境界線
生物は分類できる?
タンポポとチョウチョと私
そして脳は比べたがる
それは差別になる
本当は知っている美しさ
四時間目 「多様性」とは何か?
遺伝的多様性と種の多様性
どうして、いろいろな花があるの
オンリー1か、ナンバー1か
ナンバー1しか生きられない?
オンリー1が生き残る
ナンバー1になれるオンリー1のポジション
ニッチという考え方
ミミズだって生きている
場所が悪いのだ
ニッチがヒントを与えてくれる理由
五時間目 「らしさ」とは何か?
ナンバー1になる方法
フィールドは自分で作る
得意なことはあるけれど……
「らしさ」で勝負する
誰もゾウを知らない
あなたは丸? それとも三角?
それは思い出の中にある
図鑑どおりでなくていい
六時間目 「勝つ」とは何か?
おのおの花の手柄かな
人間は勝ち負けが好き
競争がすべてではない
負けたっていい
苦手でも少しやってみる
敗者が進化する
進化する負け方
先祖の出会いに感謝する
七時間目 「強さ」とは何か?
弱いことが強さ
雑草は弱い?
雑草は森の中には生えない
強さにはいろいろある
強いものが勝つとは限らない
人間も弱い生き物
八時間目 「大切なもの」は何か?
雑草は踏まれても……
大切なことは?
成長を測る二つの方法
それでも高さで測るしかない
踏まれて生きる
固さと柔らかさを併せ持つ
踏まれることはつらいこと?
本当に大切な成長
九時間目 「生きる」とは何か?
木と草はどちらが進化形?
命短く進化する
永遠であり続けるために
生きることに力はいらない
空を見上げてみよう
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

128
図書館本 東京シューレ葛飾中学校に訪れていたのですね。生徒が個性的なのは理解できます。平均的で普通であることからドロップアウトした生徒さんがたですからね。先公からしたら管理しにくくて厄介でしょうけど「個性はでてきちゃうものだから」という言葉は刺さります。 人間の脳がたくさんで多様なものを理解するのが苦手という限界がこのような事態を引き起こしたようです。しかし救いはあります。人間は多様なものを美しいと思うこともできると。2022/03/14

breguet4194q

127
雑草を専門とした農学博士の一冊。プリマー新書のとおり、わかりやすく噛み砕いて説明されてます。また、文体が優しいです。最近「ざんねんないきもの事典」がベストセラーになってますが、それに派生した内容に加え、植物の生態系も併せて、更に人間の生き方にまで昇華して、個性と多様性について説明しています。子供が何気なく感じる問いに対して、丁寧に答えてくれてますので、小学生高学年であれば、十分楽しみながら学べるのではないでしょうか。2021/11/18

future4227

124
2021年中学入試で出題校数No.1の説明文。小中学生に向けて生物の進化の仕組をわかり易く説明すると同時に、それを参考に人間の生き方や価値観を見直してみようと投げかける。今までの稲垣先生の著書と違うのは植物の紹介にとどまらず、人の生き方という哲学的な内容に切り込んだ所。悩んだり、行き詰ったりしている子どもたちには、心に響くものがあるのではないか。人間はすぐに競争したり、比べたりするけど、自分らしく生きることが大事。「大した努力をしなくても勝てる場所で、誰よりも努力をしなさい」という林修先生の言葉がいい。2021/12/08

けんとまん1007

112
頑張るとか、頑張らないとかではなくて、いろいろあるから生き残る。これは、生物だけでなく、組織とか、文化とかにも当てはまると思う。雑草の逞しさは、力強さではなくて、うまく対応すること、やり過ごすことからくるというのが、納得。2021/10/29

はっせー

109
自分らしさや個性について悩んだことがある人や生き物が好きな人に読んでほしい本になっている!読書会で参加した際に紹介されていた本でつい衝動買いしてしまった。読んでみて高校生や大学生にも読めるような柔らかい文章で個性や自分らしさについて植物や生き物の話を交えながら論じている。個性とは育てるものでも作るものでもなく出るもの。最後に書かれていた言葉が心にすぅっと入ってきた。個性が出るものとしたなら出るための環境をいかに整えるか。そこを整えることが大事だと感じた!今の環境がだめなら変えるほうがいいかなと感じた!2023/03/21

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