内容説明
大阪に生息するセミの7割がクマゼミと言われ,同時に分布域も東へ北へと拡大している.クマゼミ増加の原因は,温暖化にともない冬の寒さが緩和されたせいなのか? はたまた乾燥が進んだことが原因なのか? 地道な調査・実験から温暖化との関係を明らかにする.科学的真理を探究する過程の奥深さと楽しさも味わえる一冊.
目次
はじめに
第1章 近年にみるセミの変化
大阪におけるクマゼミの増加/変化したクマゼミの分布
第2章 クマゼミが引き起こした問題とは
セミによる食害/騒音の問題/光ケーブルの切断
第3章 今,起こっている温暖化とは
地球温暖化とその原因/都市の温暖化とその原因
第4章 温暖化をめぐって
なぜ温暖化の問題は難しいか/温暖化の問題点を誇張する考え/温暖化の問題はないという考え/温暖化をめぐる複雑な背景/わたしの考え
第5章 温暖化と昆虫の変化
温暖化が昆虫に与える影響/温暖化による分布の変化
第6章 セミの研究を始めた経緯
都市問題研究に採択/一生でもっとも危険な時間
第7章 冬の寒さとクマゼミの増加の関係
冬の寒さの緩和/卵の寒さに対する耐性/野外においた卵の孵化
第8章 夏の乾燥とクマゼミの増加の関係
都市の乾燥化/乾燥条件下での孵化
第9章 土の硬さの影響
セミの分布と土の硬さ/幼虫が土に潜る能力
第10章 梅雨に孵化するために
雨季に孵化する重要性/温暖化と梅雨の時期/過去の孵化時期の推定
第11章 クマゼミから見えてきた温暖化
クマゼミの増加と温暖化/温暖化以外の要因/今後の予想/おわりに――わたしが強調したいこと
もっと勉強したい人のために
あとがき
感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
鯖
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流石全次郎