岩波新書<br> 私は赤ちゃん

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岩波新書
私は赤ちゃん

  • 著者名:松田道雄
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2020/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004121367

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内容説明

はじめての赤ちゃん.待ちに待った誕生.しかし,新米の母親父親にとって子育ては不安の連続でもある.授乳のしかた,衣服の調節,夜泣き,離乳,加えて下痢や発熱,ひきつけなど赤ちゃんの病気も多い.ゆったりした楽しい気持ですこやかな赤ちゃんを育てるために,家庭は,社会はどうあってほしいかを,赤ちゃんの目を通して考える.

目次

松田道雄 『私は赤ちゃん』目次

I 生まれて半年 
産院 やかましいのが一ばんきらい
乳がでない あせっちゃだめです
わが家 ダンチ住宅
胎毒 ホッペタのブツブツ
滲出性体質 注射は中止
パパ 私とあそんで
カッケ事件 吐乳と緑便
乳が足りない 粉乳を足す
乳ぎらい 個性をみとめてください
電車 編み物はよして
おばあちゃん 愛情過多
デパートと映画館 おもしろくない
タンがきれない 鍛錬が必要
ママ 忠実な観察者
児童公園 赤ん坊の時間を
銭湯 行儀のわるいお客たち
夜泣き(1) 夜間の授乳
夜泣き(2) 体重をはかること
おしめカバー あついときはダメ
あつい日 お乳をつめたく
遊園地 もうけ主義
離乳(1) むずかしい離乳献立
離乳(2) 甘党とから党
離乳(3) ありあわせで
離乳(4) 体重計をたよりに

II 誕生前後
腸重積(1) 急におこる腹痛
腸重積(2) 規則的な痛み
腸重積(3) 早ければ手術せずに
目方が足りない さかんな生活力
健康優良児 デブは人生の目的でない
おかゆがきらい それも性分
汽車旅行 赤ちゃんは無視
旅館 子供づれは虐待
五十円玉をのむ ママの早業
夜泣き(3) パパがお相手
夜泣き(4) にがいくすり
夜泣き(5) チエのついた証拠
排泄のシツケ 反抗期
シモヤケ きついクツ下
ストーブ サクをつくろう
予防注射 白の恐怖
種痘 腕にせねばなりません
生活のリズム 体質と家庭の事情
ツイラク 頭をうつとバカになるか
迷い子 小さな密出国者
幼児をもつ母の会 託児所がほしい
ドライ・クラブ パートタイム・託児所
ヒキツケ ひとりでなおる
はじめての熱 三日つづく
チエ熱 突発疹
保育所 超過勤務
下痢がとまらない 感冒性下痢
注射 役人のきめたとおりの治療
カンの虫 ママは無反応
夜のオッパイ 最大の愛撫
脳性小児マヒ 個人の力でどうもできない
誕生日 市民の幸福
むすび 育児過剰にならぬよう

Ⅲ 一歳半まで
歩行器 ありがためいわく
動物園 あわれな動物
急に元気がない エキリかもしれない
自家中毒 子供のノイローゼ
アメ療法 注射おことわり
自家中毒なおる 自然の力
おしっこがにごる ジンゾウエンか
よいっぱりの朝ねぼう(1) スイミン薬
よいっぱりの朝ねぼう(2) それもまたよろしい
うつむいてねる(1) ヘントウ腺肥大か
うつむいてねる(2) 病気じゃあない
ベッドでねなくなる いずこもおなじ
生活日課表 新しい保健婦さん
食事にひまがかかる 三十分で切り上げ
標準離乳表 おかみの指図はごめん
犬にかまれた(1) 犬を逃がすな
犬にかまれた(2) 狂犬でなければ大丈夫
疑陽性(1) もう一度しらべる
疑陽性(2) 三つの可能性
リンパ腺結核(1) ノーマク炎の危険
リンパ腺結核(2) 誤診だった
小児結核保養所 治療しながら勉強
土をたべる(1) 貧血のせいか
土をたべる(2) 自然への郷愁
近所のハシカ 予防注射を
ハシカの予防注射 おそくなってはダメ
ハシカは軽くすんだ もう一生かからない
私は歩ける 二階へあがる
ゼンソク(1) 恐るべき光景
ゼンソク(2) 人工病
小児マヒ(1) はじめはカゼと同じ症状
小児マヒ(2) ソークワクチン
おわかれ 子供と仲よしになりたい
挿絵・カット 岩崎千尋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

77
1960年。新聞連載がその前年で、ちょうど60年前。中身が変わっても、子育てが大変なのは今も同じだろう。小児科の開業医である著者が、物言えぬ赤ちゃんになりかわって、大人に語りかける見開き2ページ。いわさきちひろのカットが、心にやさしい。親は子どもの健康を気にしすぎがちだが、本当に気にするべき点も押さえながら安心を与えてくれる。読み物としても、意外な視点からの世界が今もなお新鮮だ。2019/05/26

みっくす

61
夏頃から昼食時間にちまちま読み進めていました。小児科医である作者が赤ちゃん目線で書いた育児書。最初はおっさん染みた赤ちゃんに違和感ありありでしたが、徐々に馴染んできました。これを読んでいると息子の視点で考えることも増えました。病院に行ったとき、ベビーベッドで一人でいるとき、お兄ちゃんと遊んでいるとき、こんな気持ちでいるのかなと考えるといっそう育児が楽しめる気がします。私の母が生まれる前に出た本なので、流行している病気や対応も古い感じところもありますが、勉強になることも多く読んで良かったです。2017/02/09

えんちゃん

60
先日Twitterで話題になっていた一冊。1960年新聞連載。著者は小児科医。赤ちゃんの立場から親たちへの注文58編。かなり古い本だが、赤ちゃんの本質をついていて面白い。こんなふうに思って泣いていたんだなあと、今なら微笑ましい。懐かしさと共にさらさらと読了。2020/12/31

gtn

29
昭和35年発刊。上昇志向故の子への過度の期待と、近代医学を振り回す医師への盲従を初めて経験した時代。その戸惑いを赤ちゃんに託して語る。まだその頃はかろうじて世の中の節度が生きていて、膨張する欲望は抑えられていたか。しかし、作中の赤ん坊が嫌がるアパートのピアノ音は、14年後、殺人事件の惨劇を引き起こす。2020/06/20

25
子ちゃん育て中の人へ向けた本のようだけど、赤ちゃんの方に感情移入してしまった。人生3ヶ月だからしょうがない、この言葉ほど説得力のある言葉を知らない。人生3ヶ月の人から見た世界とその関わりが最高だった。名言はありすぎて書ききれない、、。「やかましいのは付添のおばさんたちのおしゃべりだ。(略)ほんとにうるさい。どうしてそんなに他人の生活に興味をもつんだろう。自分の生活が空虚なんだね、きっと」「私は自衛上、大声をあげて泣いた」「ママが私を診療所から外にだしてくれると、たちまち人生がたのしくなったのを感じた」→2021/03/08

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