岩波新書<br> 小学校英語のジレンマ

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紙書籍版価格 ¥924
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岩波新書
小学校英語のジレンマ

  • 著者名:寺沢拓敬
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 岩波書店(2020/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318262

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内容説明

二〇二〇年四月から小学校五・六年で正式教科としての英語が,三・四年で必修の「外国語活動」が始まる.グローバル化時代には必須との大きな期待と根強い反対を経て生まれた「小学校英語」はどこへ向かうのか.実際,どんな効果が見込めるのか.約三〇年の改革の経緯,教える負担の大きさなど,未解決の論点を網羅する画期的な一冊.

目次

はじめに

序 章


第Ⅰ部 小学校英語,これまでの道のり

第1章 【第Ⅰ期】小学校英語前史
 1 戦前から戦後へ
 2 英語教育の早期化と臨時教育審議会
 3 学習と年齢効果の研究

第2章 【第Ⅱ期】「実験」の時代
 1 「国際化時代」と英語教育の議論
 2 研究開発学校では何が学ばれていたのか
 3 小学校英語推進派の理想主義

第3章 【第Ⅲ期】模索の時代――多様性とカオスの小学校英語
 1 小学校に英語がやってきた
 2 総合学習での英語活動
 3 教育特区での小学校英語
 4 小学校英語論争の勃発

第4章 【第Ⅳ期】「外国語活動」の誕生
 1 「グローバル化時代の人材育成」と英語教育
 2 「必修だが教科でない」
 3 特殊日本的な「外国語活動」
 4 英語力は向上するのか,国語力がダメになるのか

第5章 【第Ⅴ期】教科化・早期化に向けて
 1 トップダウン型の教育改革へ
 2 第二次安倍政権以後の改革――変質する政策審議
 3 教科化既定路線の中の賛否
 4 世論の期待と不安


第Ⅱ部 小学校英語の展望

第6章 現在までの改革の批判的検討
 1 小学校英語三〇年の歴史を振り返る
 2 根拠なき計画・実行

第7章 どんな効果があったのか
 1 教育政策を支えるデータとは
 2 小学校英語の効果,これまでの研究
 3 小学校で英語を学んだ子どもの英語力・態度は向上したのか?
 4 根拠に基づいた議論を

第8章 グローバル化と小学校英語
 1 「グローバル化だから小学校英語」でよいのか
 2 英語ニーズのこれから

第9章 教員の負担とさまざまな制約
 1 誰が教えるのか
 2 制度,予算の制約,世論のプレッシャー
 3 外部人材活用という「第三の道」


おわりに

年 表
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆっき

22
令和2年度から始まった小学校英語の教科化。導入に至るまでの経緯や効果が分かりやすく解説されていて興味深い一冊でした。一番感じたのは英語が専門ではない小学校の先生方の負担の大きさで、とにかく大変だろうなと想像できます。現時点では劇的な効果は見られない小学校英語。英語が好きな子供たちが増えていくことを願うばかりです。2020/06/08

tamami

19
「小学校英語をとりまく条件は深刻かつ重大なものばかりであり、しかも、それらが相互に絡み合い、袋小路に陥っている。」著者が「おわりに」で記す述懐である。小学校英語が様々な勢力の思惑が交錯する中、現在のような状況に到った経緯を、戦前から現在までを5期に分け詳述するとともに、今後の展望を示す。各期の説明など、詳細に渡る部分もあるが、それぞれの論のバランスが取れていて、これからの小学校英語を論じる上で必読の文献と思う。グローバル化などの言葉に躍らされることなく、ファクトに基づいた議論の必要をここでも感じてしまう。2020/04/20

Riopapa

14
小学校英語教育に関わることになり、あらためて論点整理のために読んだが、非常に参考になった。とはいえ、これからどうすべきかについては、あまりにも問題が大きく、かつ複雑すぎて見えてこない。これは教育全般について言えることでもあるけど。2021/05/04

寝落ち6段

13
小学校英語の必修化について、その制定の過程を詳らかにして、あらゆる面からの意義に鑑みて批判した一冊。必修化されるまでの過程は、グローバル化の名の下に推し進められてきたようだ。早期英語教育は子供たちに良い結果をもたらすのかさえ、実証されていない状態なのにである。日本語と英語の言語的乖離は大きく、英会話が非日常なのである。現場も「実証はないし、方法論も確立してないし、人員補填や研修する予算も時間も用意しないし、教具もないし、教員の仕事は増えるけど、やれ」という無茶苦茶なことを強いられている。疑問しかない。2020/09/22

Nobu A

12
寺沢拓敬先生著書3冊目。冒頭から小学校英語の改革案に対するアンケート調査結果を引き合いに出し、賛成でも反対でもなく分からないに着目する洞察力。しかし、感想は難しくなる。何故なら筆者が比較対象者がいない国内唯一の英語教育政策・制度に関する専門家だから。様々な主体が絡み合う社会問題は歴史的・社会的条件を重視する必要性を教えてくれる。実情が縦軸横軸全方向位から丸裸。正に目から鱗。視野が広がった。まだ40歳未満の鎌利な論客。こんな人が政策会議に加わるべき。いずれ来るはず。そして、巻末の「最後に」で魅せる文才も乙。2021/05/07

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