ハルキ文庫<br> 殺人都市川崎

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ハルキ文庫
殺人都市川崎

  • ISBN:9784758443371

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内容説明

治安が悪く、地獄のような街で地べたを這いずって暮らしていると考えていた俺は間違っていた。出会ったら命がないと言われる、伝説の殺人鬼・奈良邦彦。本当の地獄は、あいつとの出会いから始まった。彼女を、そして両親を殺された俺は、それからも執拗に奈良に狙われ続け……。41歳の若さで急逝した天才作家・浦賀和宏氏最大の問題作、最期の挑発&最後の小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶち

105
川崎市に在住していた著者が、南北に長い川崎市の行政区毎の"イメージ"の違いを基に、それを極端に強調した舞台設定のエンターテイメント作品です。この強調されたイメージが一種の臨場感を醸し出しています。"治安の非常に悪い川崎大師地区"と"ハイソな武蔵小杉"という対比は、スプラッターな描写の連続殺人事件にホラー感をもたらしています。この連続殺人はどこまで続くのかと思い始めた頃、少しづつ話の筋に違和感を感じます。そして、驚愕の大ドンデン返しが待っているのです。"そうきたか"と唖然としちゃいました。2020/06/02

fwhd8325

94
川崎という街には、あまり思い入れがないのですが、この作品が出版された頃は、少年たちのむごい事件があった頃になるのでしょうか。物語は、まさかの展開でした。何だかおかしいなと感じ始めたら一気に加速しました。著者の遺作と言うことですが、この作風は印象に残ります。2023/05/10

ジンベエ親分

73
41歳という若さで亡くなった著者の遺作となった作品。決して好きな作家というわけではなかったが、その唯一無二と言って良い作風はいなくなると寂しい。伝説の殺人鬼に彼女と両親を殺された赤星と、武蔵小杉に引っ越した赤星の元彼女の愛、2人の視点から交互に語られながら進む話なのだが、ここは浦賀流、開いた口が塞がらない、目が点になるアクロバティックな着地をキメる(笑) 何度か読み返さないと飲み込めないし、飲み込んだところで開いた口が塞がるわけでもないけど(笑) あ~こうしてみると、やはり惜しい人を失ったのだな。2020/05/15

なる

72
著者は川崎出身だそうですが本当なんでしょうか。ディスりも愛も内容が実情より稀薄なので育ちが良いお方なのかもしれません。登場人物の一人が不良という設定ですが言葉遣いや態度がリアリティに欠けるので戸惑ってしまいます。川崎市のいわゆる南部、川崎区と幸区を中心に話が進められ、モデルは大師高校と幸高校かな。大師公園は平和で、新川崎は好感を持たれて、武蔵小杉に劣等感を感じているらしい。へえ。もしかしたら自分の知っている川崎は某国のイメージする偽物の川崎かもしれない。逆にそういった視点から見たとしたら興味深いですわね。2021/08/16

雪紫

67
浦賀さん最期の作品にして初期浦賀さんのカラーが良く出た話。殺人鬼に狙われたせいでの孤立、引っ越ししたことによる罪悪感など息が詰まる閉塞感などをぶっ飛ばす・・・ほどではないけど、襲って来る殺人鬼がやばい。犯沢さんの米花町でもこうはならんだろ、と思ってたら・・・うん、解説の千街さんの言う通り目が点になったわ。色々疑いながら読んでたけど・・・これ見破ること、無理。解説と帯のみなさんの言葉が的確過ぎる。浦賀さんのご冥福をお祈りします。貴方は本当に失うには惜しい作家でした。2020/05/15

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