内容説明
宝暦三年(一七五三)、将軍から突如川普請を命じられた薩摩藩。遠路向かう先は二百もの支流がある木曽三川。重なる借財、烈しく強かな百姓、貧苦に喘ぐ故郷の妻子、疫病に倒れる藩士達と、総奉行・平田靱負の前に次々と難題が持ちあがる。これは形を変えた関ヶ原の戦い――。絶対不可能に思える手伝い普請を、靱負はやり遂げることができるのか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
53
『まいまいつぶろ』で一挙にファンを増やした9代将軍家重。千代田城内での艱難辛苦やそれでも挫けなかった人間性と主従愛はよ~く分かった。そうなると知りたいじゃないですか。為政者として愛や情だけでは解決できない徳川中期のあなたの仕事。家重期大事件のひとつ、宝暦治水。関ケ原の敵側西軍の雄・島津を冠する薩摩藩が突如命じられた川普請。過去に何度も失敗を重ねた木曾の暴れ三川を費用も人員も全て持ち出しで治水せよ!幕府は口は出すが手助けはしない。物語は薩摩が主役で家重のイの字もないが外様を牽制し税収を挙げるその発想が鋭利♪2024/08/07
スプリント
11
無理難題を押し付けられた薩摩藩。 死者を出しながらも川普請をやり遂げた先に待つ主人公の運命は。 強く生きる武士と農民の姿に感動を覚えます。2020/09/17
千日紅
7
内容(「BOOK」データベースより) 宝暦三年(一七五三)、将軍から突如川普請を命じられた薩摩藩。遠路向かう先は二百もの支流がある木曽三川。重なる借財、烈しく強かな百姓、貧苦に喘ぐ故郷の妻子、疫病に倒れる藩士達と、総奉行・平田靭負の前に次々と難題が持ちあがる。これは形を変えた関ヶ原の戦い―。絶対不可能に思える手伝い普請を、靭負はやり遂げることができるのか。2020/07/10
大喜多さん
4
数年前に桑名から輪中地帯を歩きながら思いに耽っていました。資料館の人と話して、現地の人の受け取り方が違うのだなと知りました。でも、本から感じる薩摩人の悲壮感ある覚悟には感銘します。2020/08/01
チュルちゃん
2
宝暦治水に興味があったので読んでみた。むか~し、その時歴史が動いたでも取り上げられてたような気もする。 治水工事の総奉行である平田靱負を主役に据えた内容。美濃の庄屋や男装してまで着いてきた藩士等の視点も交えている。着工から竣工までの全体を俯瞰して見るような流れで具体的な工事内容とか現場の描写は少なめな印象。最初は薩摩をバカにしたり嫌がらせする地元の百姓や郡代、旗本だったけど最後には互いを認めあって心を一つにしていたのが良かった。2025/12/17




