ちくま学芸文庫<br> 戦後日本漢字史

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ちくま学芸文庫
戦後日本漢字史

  • 著者名:阿辻哲次【著】
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  • 筑摩書房(2020/06発売)
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内容説明

現代日本語における漢字は、どのような議論や試行錯誤を経て今日の使われ方になったのだろうか? 戦後、民主主義の発達を阻害するという観点から、GHQは漢字廃止を提案し、また漢字制限のため当用漢字表・字体表が定められた。制度面では、これを緩和する方向で後年、常用漢字表制定とその改定が行われる。他方、実用面では、機械では書けないと言われていた日本語がワープロの登場で一気に障害を乗り越え、難字すら情報機器によって身近になるという逆転現象を起こしている。現代日本語に残された問題の起源を探り、未来を予見する刺激的な日本語論。

目次

はじめに
第1章 終戦と漢字
1‐1 国語ローマ字化への模索
戦後の教育改革 アメリカ教育使節団報告書 日本の文化に対する無理解 ローマ字表記の提案 漢字の難しさ 複雑な形、音や意味の使いわけ 戦前における漢字規格の作成 臨時国語調査会の常用漢字表 標準漢字表 「簡易字体」の登場 漢字読み書き調査 調査の目的と結果
1‐2 当用漢字表の制定
標準漢字表の再検討 当用漢字表の前段階試案──「常用漢字表」 短期間にまとめられた当用漢字表 漢字表の適用範囲 漢字の配列について 「当用漢字表」の配列 「当用漢字表」という名称 「当用」ということば ルビの廃止も山本有三の方針 強いられた「書き換え」 なじめない書き換え語 古希と古稀 わかりにくい「交ぜ書き」 あまりに性急な作成
1‐3 それからの当用漢字表──「別表」と「音訓表」
当用漢字別表 当用漢字音訓表
1‐4 「当用漢字字体表」の制定
なぜ異体字ができるのか 異体字のランクづけ 簡略化字体とは 簡略化字体の採用 活字字体整理案の作成 活字設計の基準 字体選定の方針 「等線体」という書体 字体表はだれが書いたか 「当用漢字字体表」の問題点 示ヘンと衣ヘン 別々の文字を一つにすることの功罪 《犬》はなぜ《大》になったか 字源主義の排斥
第2章 常用漢字表への道のり
2‐1 人名用漢字の制定
国語審議会と当用漢字 子供の名前に使える漢字 最近の名前あれこれ
2‐2 それからの「当用漢字表」
当用漢字表に対する補正と新聞界
2‐3 表音派と表意派の対立
漢字廃止論の隆盛 漢字擁護派の抵抗 吉田富三の提案 方針の大転換
2‐4 常用漢字表の制定
新しい漢字表への動き 「常用漢字表案」 常用漢字表の基本的性格 印刷字形と手書き字形 女はツノを出さない! 制限から目安へ
第3章 「書く」時代から「打つ」時代へ
3‐1 機械で書けない文字
漢字制限のもう一つの論拠 コンピューターの登場 六三〇万円のワープロ
3‐2 「 」と「鴎」──表外字の字体
ワープロの普及 ワープロに対する賛否両論 漢字の多様化と文体の変化 JIS漢字コード 放置された表外字
3‐3 表外漢字字体表
表外字は「鬼子」だった 「表外漢字字体表」の作成 表外字使用の実態 三部首許容
第4章 「常用漢字表」の改定
4‐1 「己」と「巳」は同じか
IT機器への適用 「包摂」という考え方 JIS側での対応
4‐2 「改定常用漢字表」における目安
電子時代の「漢字の目安」 制定までの流れ 「改定常用漢字表」の性格 情報化社会における「漢字使用の目安」 書けなくても読める漢字 シンニョウの点の数 印刷字体と手書き字体は別のもの 固有名詞について 手書き文化とは
あとがき
年表
文庫版あとがき