内容説明
私は子供のころから本を読むのが一番好きだった。梶井基次郎を読むたび湧き出す愛猫への思い。永井荷風が思い出させる幼き日の家出。坂口安吾に救われた思春期。幸田文とはだいぶ違った父娘関係。谷崎に性の厄介さを教えられ。小学生からの付き合いになる林芙美子……。本さえあれば、どんな日常も笑えて愛おしい。思い出をカラフルに彩る24冊の名作を紹介、読書の幸福に満ちた名エッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しのさー
19
読書エッセイ 群さんの幼少期、学生時代や家族のことも書かれてて、当時の気持ちがストレートに届いた 挿絵もかわいくて和む2023/05/20
たろさ
10
「これは読書案内の姿を借りた、群ようこ案内である。」(あとがき)どんなに猫を可愛がっていようと猫が嫌がることや痛いことをする人は無理です。引っ叩いて猫と同じ目に合わせたいです。2021/10/15
きょん
8
いろいろな本を通じて、群さんの生い立ちや家族、友人、仕事などさまざまな思い出が綴られている。そうだよな、読書って、自分の環境に引き寄せてああでもないこうでもないと考えたり感じたりするものだよな、と思った。そして選書もさすが、いい本を読んでいる方でした。2022/03/08
シンプルねこ(うみねこ)
6
昔読んだ本だけど、新装版になって復刊したので再読。(だいぶ前に読んだので内容はほぼ忘れていた)群さんの幼少期からの思い出を交えて本を24冊紹介していく楽しいエッセイ。(渋い本が多い)以前読んだ時は読んだ本は1冊もなかったが、今回は2冊くらい読んでいた。(金子ふみ子「何がわたしをこうさせたか」「三島由紀夫レター教室」)2冊とも好きな本なので他の本も読んでみようかなという気になった。それに、このエッセイは本の紹介というより、エッセイ部分が面白いので渋い本に興味がない人でも楽しめると思う。2023/10/19
雛
6
作者の幼少期の思い出とその時期にまつわる24冊の名作を振り返るブックエッセイ…。小学校の頃、図書館の本は読破するほどの本の虫として成長しながら、読書と離れる時期があったり、背伸びした本を手に取る時期があったり…と誰でも本と友達になり、疎遠になり、また身近な存在(本)となったりと、本との関わり方を成長記録と共に書かれた1冊に思うけど…口は悪いし、飼い猫(黒猫)の愛し方が少し独特なのは少し苦いものを感じましたが、潔い毒舌さはスッキリ爽快。しかし…24冊、今の私にとっては渋すぎるラインナップでした。2023/08/23