ポイズンドーター・ホーリーマザー

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ポイズンドーター・ホーリーマザー

  • 著者名:湊かなえ
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 光文社(2020/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334776961

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内容説明

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。欠席を表明したのは、今も変わらず抑圧的な母親に会いたくなかったからだ。だが、理穂とメールで連絡を取るうちに思いがけぬ訃報を聞き……。(「ポイズンドーター」) 母と娘、姉と妹、友だち、男と女。善意と正しさの掛け違いが、眼前の光景を鮮やかに反転させる。名手のエッセンスが全編に満ちた極上の傑作集!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

453
6つの短編から構成されたこの作品。2作目以外は母と娘の関係を描いた物語が展開していきます。2015年頃に流行ったという『毒親』という言葉。この本では、そうならないための啓示というより、結局のところ全ては考え方次第、一度思い込んでしまうと抜け出せなくなる思い込みの怖さと、そこから生まれるミス・コミュニケーションの連鎖といったところが短いストーリーの中に上手く描かれていたように思いました。ウググ…というイヤミスを呼び起こす6つの短編たち。イヤミスをサクッと読ませるとても湊かなえさんらしい短編集だと思いました。2021/12/14

ミカママ

394
これは良かった。これで湊さんは7:3くらいに勝率戻したかな(上から)。友だち同士、姉と妹、そして母と娘。誰もがみなボーダーラインを歩いてる。ちょっとしたボタンの掛け違えで、とんでもなく拗れてしまう。かように女は難しい、のである。2018/09/02

カメ吉

379
湊作品らしくイヤミスなモヤモヤとドロドロとした読後感。 女性同士の親子の内側が複雑で理解し辛いのも多かった。ホーリーマザーじゃなくポイズンマザーって内容に感じるし。短編集で色んな話があったけどテーマは共通。 最後の章は色んな謎が繋がり上手くまとまっていた。 読後感の悪さは湊作品らしいって事でOKだったんでは。2018/09/23

三代目 びあだいまおう

353
イヤミスの女王の短編6編。善意が曲解され嫌悪や恨みに繋がる、正義感はいつしか相手を雁字搦めにして行き場を失くさせる!人の心のベクトルは、その多くが意図しない方向に向くという不運を我々は経験済みだ。自分を振り返り身につまされる既視感を覚える。親は子の将来を案じ、子は自身の今を案ず!親は自身の経験で語るが、子はその経験を蓄積していない。相手を想う愛が相手を追い込む刃となりうることに気付かない。母と娘、同性ゆえに時に親子、時に親友、時にライバル。思いやる心の行く末が、湊ワールドで妖しく語られる不穏に戦け‼️🙇2019/09/23

bunmei

341
歪んだ生い立ちや劣悪な生活環境の中で、毒気を帯びて罪を犯していく人達の心の葛藤から、最後にグサリと来る展開は見事。ある一方から人を見下すことでその人の印象が決まり、そうした周りの思い込みによって、本人の苛立ちや怒りが積み重なって事件に繋がっていく…。親子の歪んだ愛情や親の押しつけによって、自虐的な人を作っていく話。人間関係が巧く構築できず、自分に都合の良い思い込みによる誤解によって、感情の制御ができずに殺人に至る話など…。現代人の持つそうした心の闇にスポットを当てた、湊かなえらしさを感じる作品です。 2018/10/12

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