河出文庫<br> 鴎外の恋 舞姫エリスの真実

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河出文庫
鴎外の恋 舞姫エリスの真実

  • 著者名:六草いちか【著】
  • 価格 ¥1,375(本体¥1,250)
  • 河出書房新社(2020/06発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784309417400

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内容説明

予期せぬことが切っ掛けでスタートした「舞姫」エリスのモデル探し。文豪・森鴎外がデビュー小説に秘めた、日本文学最大の謎がいま、明かされる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

63
教科書に掲載され、高校生はたいてい一度は読まされる「舞姫」。しかし小説のモデル、実在した「エリス」とは誰だったのか? 著者はふとした偶然からエリスを探し、ドイツ在住の地の利を生かして、ベルリンに残された記録を追っていく。女性の視線でエリスへの男性目線の論を退けながら、歳月の流れと大戦中の空爆による焼失という困難を乗り越えて、乗船名簿や古地図、洗礼記録、マイクロフィルム等々、何度も途方にくれては史料を尋ねあてる。文学探究は第一級のミステリだ。鷗外が現実からずらせながらも、かなり忠実に描写していたことも驚き。2020/06/20

yoshimi

20
何かに取り憑かれたかのように『舞姫』エリスのモデルだった人物を探し出そうとする著者の胆力に頭が下がる思いがした。教科書で読んだ舞姫は「文豪と呼ばれる作家が書いた作品がこんなにゲッスい色恋モノでいいのか??」という印象で、文壇という世界の価値観をごっそりひっくり返された記憶がある(笑)。いまだにその印象は拭えないけど(すみません)、本書を読んだからこそ舞姫を再読したいという欲求が湧いてきた。それにしても自分の恋愛沙汰を小説にしたためて、それを家族の前で朗読する鴎外の拗らせ具合が大変興味深い。2020/07/10

nnnともろー

4
この本自体がドラマ。筆者の執念に脱帽。2022/06/11

るき

4
高校3年生でやる『舞姫』。六草いちかさん、国語便覧にも載ってました。『舞姫』に何か思うことがあれば読んでほしい(大体豊太郎に怒りを覚えると思うけど)。エリスがいたドイツでのエリス探し。文学探究の面白さが伝わってきます。あきらめようと思うと手掛かりが現れるの連続で、テンポよく読めました。ネットでこの論争も読めました。いい時代だわ。2020/06/17

Masako33

4
エリスが誰であっても舞姫の文学的価値は変わらないと内心思っていたが、当時のベルリンの写真や図版に興味を覚えて購入した。が、読み進むうちに作者の探究心に引き込まれ、何とか探し当ててほしいと手に汗を握る気持ちで読んだ。挫けずに膨大な調査を重ねた作者の功績に拍手を送りたい。来日したエリーゼの帰国に至る経緯の推理も、興味深かった。エリーゼのその後を描いた続編は入手困難らしいが、文庫化を期待したい。それまでに舞姫も再読したい。2020/04/25

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