竹書房文庫<br> 最後の竜殺し

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竹書房文庫
最後の竜殺し

  • ISBN:9784801922761

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内容説明

敵は竜ではなく資本主義!?
魔法の力が衰えた世界。ドラゴンスレイヤーに選ばれた少女だったが、CMの出演依頼が殺到し、竜の土地を狙い不動産会社が動き出す……

魔法の力が減少した世界。かつてドラゴンと魔術師は、恐れられ敬われていた。
いまやドラゴンは偉大な魔術師と結んだ協定により、ドラゴンランドを出ることはなくなり、生きているのは最後の一頭のみ。
魔術師も同様で、彼らは魔法の絨毯(じゆうたん)でピザ配達をしたり、魔法で配線工事をして、なんとか生計を立てていた。
そんな魔術師たちを抱える会社、カザム魔法マネジメントの社長代理は十五歳のジェニファー・ストレンジ。
気むずかしい魔術師たちに振り回されながらもがんばっている。
ある日、最後のドラゴンの死が予知され、同時に魔術師たちは魔法の力が強くなっていることに気づく。
ジェニファーは真相を調べるためにドラゴンを殺せる唯一の人間、ドラゴンスレイヤーに会いに行く。
しかし、そこで彼女は自分が最後のドラゴンスレイヤーであることを知らされ、一分間の速習コースであっという間に後継者にされてしまう。
そしてジェニファーを待っていたのは、殺到するCMの出演依頼、ドラゴンランドの土地の権利を狙う不動産会社、さらには独裁的な国王の理不尽な勅命――。

敵はドラゴンではなく、資本主義なのか?
奇想の作家フォードのファンタジックでリアリスティックな物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sin

79
魔法マネジメントの若き進行役は如何にして最後のドラゴンスレイヤーになったか?あるいは少女の正義感と恥知らずな国王と資本主義の行方…魔法力が弱まりつつある世界で行方不明の社長に代わって魔法マネジメントを運営する少女は最後のドラゴンの消失の予知がもたらした騒動に巻き込まれ、やがて定められた使命によって矢面に立たされると云うお話しだが、ゆるぎない彼女の責任感や道徳心に共感を覚えた。展開も用意された結末もなかなか良く出来た物語だが「クォーク!カムバック!!」2020/10/14

oldman獺祭魚翁

68
ジャスパー・フォードはやっぱり最高です。皮肉の効いたウィットとユーモア。それでいてファンタジーの王道「剣と魔法とドラゴン」は外さないという筆力!読み始めたら止まらないストーリー展開と見事な……イヤイヤこれ以上書くとネタバレしそうになってします。ファンタジー好きもそうじゃない人も手にとって一読してほしい。そうすればみなじゃスパー・フォードに嵌まるだろう。中世を思わせるファンタジーだが其処に現代の資本主義社会への痛烈な皮肉をこめた傑作だ。 よくぞ出して下さった。 2020/06/10

小太郎

45
これはジャケ買い。ラノベ風だけど題名と共に惹かれました。魔法が日常生活に存在している世界。そこで16歳の主人公ジェニファーは魔法で便利屋をしてる会社の社長代理です。王国の最後のドラゴンが死ぬという予知が出てから色んなことが変わっていきます。なんと彼女がそのドラゴンを倒すドラゴンスレイヤーに指名されてしまう。何と言っても設定が素晴らしい現実と魔法が混在している世界のリアリティが大変説得力があります。テンポも良くてサクサク読めます。あの文学刑事サーズディのジャスパー・フォードじゃないですか!納得の★42023/09/20

ワッピー

39
読み友さんの感想から。孤児院から魔法会社に売られたジェニファーは失踪した社長の代理として、ヒネモノ揃いの魔法使いを動かし、会社を切り回す16歳。最後の竜と共存しているこの世界では、次第に魔力が枯渇し、魔法産業は斜陽の一途。しかし、彼女が最後のドラゴンスレイヤーに指名されて事態は急展開。コマーシャリズムと政治と正義にはさまれて、意志に反して竜を殺さざるを得ない羽目に。彼女は自分の想いを叶えることはできるのか?DWJの世界にも通じるテイストと、露骨な圧力に抗する熱い心を堪能しました。最後に一言、「クォーク?」2020/08/10

かもめ通信

35
世界は欺瞞に満ちていて、人もドラゴンもそれぞれの思惑で行動する。キミはドラゴンスレイヤー、自分の存在理由がわかっている者など滅多にいないのだから、目的がこの上なくはっきりしていることに感謝するがいい。そんなこと言われても、1分間の速習コースでスレイヤーになってしまったジェニファーにとっては、あの人もこの人もうさんくさく、頼れるのは自分の直感とペットで相棒のクォークビーストだけ!?いやーこれは面白かった。めちゃくちゃ面白かった。絶対買うので続編も是非翻訳刊行して欲しい!!クォーク!!2020/06/09

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