内容説明
ひきこもりとなって大学を中退し、ネットを通じて知り合ったニート仲間と2014年から和歌山の山奥に移住。以来、駅から車で2時間の限界集落に暮らしている。月の生活費は1万8000円。収入源は紀州梅の収穫や草刈りのお駄賃など。インターネットさえあれば、買い物も娯楽も問題なし。リモートの可能性をフル活用し、「なるべく働かず、面倒くさい人間関係から離れて生きていく」を実現したニートが綴る5年間の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
121
生き方も含めて、いろいろあっていいのだと思う。一般的に考えてしまうこと・・・経済的なこと、物質的なこと、その他も含めて、それはそれであって、必ずしも全員にとっての答えではない。もちろん、ずっとこのままではとも思うが、こういう時期があってもいいのではないか。人との関わり方についても、考える余地がある。場が異なると、見え方も変わりうるのだ。2020/07/24
猿吉君
85
ニートを山奥で職業としてやっているという印象、一種のユートピアですね。①生活費18000円、賃貸料が無料で超山奥だけどネットが繋がっているところがポイントです。②シェアハウスは独裁制じゃないとやっていけないというのは真理か。③読んでいてこういう選択肢もアリかもと思いました、老人も受け入れて欲しいけど体力的に厳しいか。点数80/100→一言でいうと「その日暮らし」が出来る人なら魅力的な環境、合わなかったら退去すればいいんだし引きこもりや登校拒否の人で一歩踏み出したいと思っている人にはアリかもと思いました。2021/02/08
ジュール リブレ
81
和歌山の山中にニートの方々が集団生活している場所がある。廃校になった校舎を使い周りの集落の平均年齢は82歳。どんな人が来ても受け止めて明るく包み込む。電球を変えたり、葉っぱを摘んだり、みんなの分の食事を作ったり。気が向いたらBBQ、Amazonからの配送も来るしWi-Fiも繋がる場所だけど、生きる意味とか自由とかを考える場所ですね。加納朋子『二百十番館へようこそ』のモデルのような実話。深いものがありますね。2021/10/18
鱒子
78
kindle unlimited 「山奥ニート」そんな生活可能なの?といぶかしく思いながら読みはじめました。納税、年金、健康保険、生活費など、支出におけるわたしの疑問は本書の冒頭部分で氷解しました。うん、著者は思慮深くて戦略家ですね。自分と全く違う生き方の、しかも尊敬できる人のエッセイとして、非常に楽しく読みました。2023/05/10
いっち
69
著者は和歌山の限界集落で暮らすニート。駅から車で2時間の山奥に、男女15人が暮らしている。若者が集まる理由を「働かないための生活の知恵」と著者は言う。食費光熱費は月18000円。ニートどうしの暗黙の了解は「自分が食べた食器を洗う。月に数回夕食を作る。半年に一度の大掃除。集落の行事には参加」だそう。うらやましいと思ったが、自分には無理だ。山奥は不便だし、ニートは世間体悪いし、ニートであることに耐えられない。周りがニートなのも居心地が悪い。そこそこの労働を受け入れ、そこそこの都会に住むのが良いと再認識できた。2020/12/26