内容説明
6世紀から7世紀にかけて、古代大和王権のなかで絶大な権勢を誇った豪族・蘇我氏の出自と、その役割、その没落経緯などを考察した論考。これまでの蘇我氏の研究に一石を投じる貴重な労作といえる。蘇我氏とはいったい何者なのか、王権においてどのような役割をになっていたのか、となると諸説あり曖昧模糊としている。本書はその部分に切り込んだ極めて意欲的な論考である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aloha0307
8
蘇我馬子&入鹿、藤原鎌足...確か小学校・社会科からこの名前は出てくる。 うまこ、いるか、かまたり...この音が何故か記憶に留まり(おののいもこ も)、その後日本史探訪の端緒となった気がしてならない。 自らの推論が客野さん説と重なるところが多いのには驚いた。 蘇我氏を倒して政権を手に入れた朝廷が、自らを正当化するため朝敵とするしかなかったのだろう。 さらに初代:蘇我稲目をパッとでの出自の豪族に仕立てて...2015/05/17
とりぞう
1
主張に裏付けが乏しく、単なる陰謀論にも見えてしまう。歴史に詳しくないぼくには、怪しさばかりが感じられる本だった。2023/11/14
Kayo Miyashita
0
蘇我氏に興味を抱き続けている私にとって、素晴らしい書でした。 古代史の舞台への蘇我氏の現れ方の唐突さについては色々言われていましたが、ここまで大胆な説に触れて衝撃を受けました。 同じく歴史上華々しく登場した継体天皇と、ほぼ同時期に表舞台に現れた蘇我氏の関係性についての考察が、実に素晴らしいです。2018/08/31