内容説明
「コイツさ、ゆうれいが視えるんだぜ」
血だらけになった彼がひとりの少女を連れてきた――(「愛を知らない」収録)
怪談社の実話怪談、背筋を揺さぶる新シリーズ!
メディアでも活躍中、全国を跋扈して怪異体験談を蒐集する怪談社。
闇の奥底より溢れ出す怪異の語り部による新シリーズいよいよ始動!
オフィスの倉庫に響く、聞こえるはずのないため息「いるはずない」、
ある旧家に残されていた奇妙な手紙、綴られた恐るべき内容とは「命がない」、
神隠しのように忽然と消えた最愛の弟。調べるうちに悍ましい異形にたどりつく「言葉じゃない」、
怪異に彩られた男ふたりと少女ひとりの奇妙な同居生活の行方…哀切の怪奇譚「愛を知らない」など71篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
168
久々に読みました怪談社さんの新作はやはりよかったですね。百物語ではないですが、全71編は凄く贅沢で嬉しいですね。実話怪談も既にネタは出尽くしているかもしれませんが、それでもいいから定番の恐い話・機知に富んだ話・人情噺をどんどん読ませて欲しいなと願いますね。くれぐれも絶対に霊をナメてはいけませんよという教訓の話です。『呪いはない』滅多に口を利かない妻に夫が酒の勢いで「もう五十前なのにバカみたいな怪談本ばっかり読んで、霊とか呪いとか本当にあるならオレにかけやがれ」と嫌味を言った一週間後に彼の告別式が行われた。2021/03/20
かおりんご
23
ホラー。短い話も多く、さらさら読める。頭の中では、自動的に上間さんの語りで再生。不思議な話も多かった。2020/11/02
ラルル
17
よかった!1話1話の長さもちょうど良く、散りばめられた笑いが怪談の恐怖と融合して、えも言われぬ快感に変わります。ラスト話も心地良い読後感を残して最高。久しぶりにこれだ!というお気に入りなのに、私はなんだって湯船に本を落とすかね2021/06/19
キナコ
16
短編ホラー集。作者が怪談師ということもあり、どれも読みやすく面白い。短い文章でここまで上手く纏めるとは…またタイトルも『~ない』で統一しており、そこにもセンスを感じますね(^ω^)2020/12/12
澤水月
16
ラスト「愛を知らない」、物凄くいい。奇妙な3人の同居生活、映像が浮かぶような人物描写と切ない抒情性に打たれた。全体は数行のものから数章にわたり書かれるもの、奇妙、コミカル、厭系、不可解とバラエティ豊か2020/06/02