内容説明
「お前の隣にいるその子だれだっけ?」
顔を上げると、土気色の肌の女の顔が――(「トンネルII」収録)
体験者のリアルな恐怖を牛抱せん夏が克明に語る!
人気女流怪談師が、体験者の生々しい恐怖、戦慄、不可思議を、憑き動かされるように書き下ろした実話怪談集!
幼い娘がクレヨンで描いた、居たはずのない〈おねえちゃん〉の正体とは…「湖」、
物心ついたときから家のなかに居る家族以外のだれか。その奇怪な姿とは…「もひとさん」、
興味本位で行った心霊スポットのトンネルで、予想だにせぬ最悪の事態に陥る「トンネル」、
自分しかいない寒い家のなかで扉がひとりでに鳴りだして――著者の祖母が在りし日に語った郷愁を誘う恐怖体験「足音」など多数収録。
肌身に刺さる怪異の恐怖は、言霊となって伝染していく。いま、あなたの後ろにも――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
221
このカバーの絵は私には相当に恐ろしく気色悪く思える代物ですが、中身の物語はそれ程に怖くはありませんでしたね。やや淡白で中途半端な幕切れの話が多いですが、私は「怪談は何が何でも怖くなければ駄目」とは思わない人間ですので今回も普通に楽しめましたね。珍しく心を打たれた話を2つ紹介しますね。『インコ』新潟の田舎の一軒家で暮らす森田さんが学校は休みの日曜日の昼間に2つ下の弟と母の作ってくれた昼ご飯を食べていると、弟が急に「黄色いインコがいる」と言う。「いないよ」「ここにいる」と言った弟は庭から出て行くので後を追う。2021/02/23
HANA
72
実話怪談集。語り口が平易なのもそうだけど、どちらかというと大人しい話が多いように感じた。「タクシー」とか昔懐かしいタクシー怪談を現代ナイズしたような話だし、「どこかで」は昔の都市伝説であった夢の中の男の様な話、心霊スポットで酷い目にあう「ロケ」や「トンネル」等、古典的な懐かしいような話も多々あるし、著者の幼少時を語った話も含めて、怖いというよりはどこか牧歌的な印象さえ受ける。実話怪談が多様化している現在、一冊くらいはこういうのんびりした物があっても良いような気もする。個人的には怖さを追求して欲しいけど。2020/08/23
雨
26
まあまあかな。女流作家さんにありがちな官能的な話がないのは良かった。あまり好きじゃないから。純粋な怖さが好き。2020/06/26
さりぃ
22
#呪女怪談 #牛抱せん夏 KindleUnlimitedで読了。 これも今年春出版の新しい本。あんりみ様々です(*´∇`*) めちゃくちゃ怖い話はなく、ノンビリした話が多かったけど、ぞわぞわするのはいくつかあった。 女性らしい優しい切り口は健在。結構好き。 『ちがうよ』『インコ』『もひとさん(全シリーズ)』 『蚊帳』『トンネル1、2』『お菓子』 ぞわぞわ。。2020/07/20
Yu。
19
女流怪談師である著者が体験者から聴き集めた怪談集。。幽霊インコの人助け‥「インコ」。山道で出会った謎の女性が描いた絵に表情を一変させる友人の父親に何か秘密でも‥「別荘」。長年 家の二階に棲み、語り手を守る“謎の存在”って一体‥ 「もひとさん」。の三話は特に印象深い。2024/05/15
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