新潮選書<br> 心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

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新潮選書
心を病んだらいけないの?―うつ病社会の処方箋―(新潮選書)

  • ISBN:9784106038556

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内容説明

友達はいないといけないのか。家族はそんなに大事なのか。働かないと負け組なのか。話し下手はダメなのか。「ひきこもり」を専門とする精神科医と、「重度のうつ」をくぐり抜けた歴史学者が、心が楽になる人間関係とコミュニケーションのあり方を提案する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

94
ひきこもり研究の第一人者である精神科医と平成のうつを体験した歴史学者の対談。友達、家族、金、SNS、仕事などからうつを抱える人の「生きづらさ」を解きほぐす。いろいろなことを語り合っている割には、うつになっている人に役立つことが書いてあるわけではない。ある意味、これは日本社会の「生きづらさ」を社会文化的側面から論じたものといえる。ヤンキー論争に始まり、毒親ブーム、SNSと承認ビジネス、自己啓発本、発達障害バブル、終章は診療報酬の対象にもなっていないオープンダイアローグの話である。2021/02/11

せ~や

70
職場の同僚からの借本。ハラスメントを探す最近の風潮や発達障害ブームとそれによるラベリングなどはずっと引っ掛かっていた気持ち悪さが、言葉になった感じでした。コミュニケーションが重視される社会などが、発達障害ブームとラベリングの裏に隠れてるような気がします。スマホとかにこもらず、あまりゴールなども決めず、ただ対話する事をあまりしないのでしょうか。対談形式の本はやっぱり苦手です。賛成と反対の中に答えがあると思うので、賛成派の対談は特に。横文字も多くて読みにくいですし、広く浅くな内容でした。☆2.52021/05/12

shikashika555

59
盛りだくさんで濃い内容に どこからどう感想を書けばよいのかな。 (一章)人間の持つ時間意識を祭りへの対応に照らして分類されてる部分、かねてから自分はどれでもない感がある。「ちょっと離れて祭りを眺める」ていう分類はないのかな。 (二章)流行りのアドラー心理学についての言及に、スッキリ。そうそう、あれは健康に社会生活を営んでいる人のためのものだよね。 (終章)オープンダイアローグに関して『他者にもわかるように説明するプロセス自体に、正常化の契機が埋め込まれている』という記述。語ることの治療効果の凄さ。 2020/08/12

ネギっ子gen

57
【「ひきこもり」を専門とする精神科医と、重度の「うつ」をくぐり抜けた歴史学者が、心が楽になる人間関係のあり方を考えた本:推薦!】 與那覇潤:<「病気かどうかはわからないけど、とにかく(本人ないし周囲が)つらい」という状態は、実は「誰の目にも明らかに病気」なケース以上に、深刻な帰結をもたらす/目印が乏しいぶん、我慢を続ける人ほど他人の目には、一見「それほど異常はない」ように見えてしまう。だからいつになっても苦しさを相談できず、問題を解決するきっかけがつかめない/提案したい処方箋はただひとつ、「対話」>と。⇒2020/11/18

ころこ

41
ちょうど本書が出版され、与那覇のその様な体験を読んでいくと共に本が読めなくなり、その後、与那覇に同一化しつつ回復していき、実は本書は思いのほか簡単な内容だったのだと、今日、一応の決着がついた読書体験でした。ふたりは医者と患者にみえがちですが、斎藤が従来の精神分析的手法を全否定するようなODを引っ提げているので、ちょうどバランスが取れています。益々積みあがっていかないポスト・モダン的な対話をただひたすら読んでいく。意味が一応なんとなくつかめたら読了です。2020/07/03

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