内容説明
【カクヨム×魔法のiらんどコンテスト<大賞>受賞作!!】「失恋した。この気持ちは聖良ちゃんにはわからないよね」高校三年生の秋、私の携帯に謎めいたメッセージを残して菜々子は海で死んだ。事故だった。――でも、もし本当は自殺したとしたら？ 幼なじみの死の真相を探るため、「恋を知らない」私は同級生とつたない恋人ごっこをはじめる。ニセモノの関係、ニセモノの愛情。そんな私を待っていたのは、甘くて切ない真実だった――。ひとりの少女の死をめぐる、恋と痛みの青春ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よつば🍀
104
生まれつき恋愛感情を持たない人を『アロマンティック』と呼ぶ事を本著で初めて知る。主人公は高校3年生の聖良。従妹の菜々子が聖良の携帯に謎めいたメッセージを残して海で死んだ。その死の真相を探るため、『アロマンティック』の聖良は同級生の青井諒と恋人ごっこを始める。少し風変わりな展開ではあるけれど、聖良、菜々子、青井、人間関係に悩む三原、高校生4人の繊細で危うげな心理が丁寧に描写されていた。大人になってしまえば大した事ではないと思えても高校生の彼らにとっては目の前の物が全て。終章でホッとするも、切ない余韻が残る。2020/07/12
Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです
15
《あらすじ・感想》失恋をして死んでしまった菜々子。それを知った幼馴染でもあり従兄弟でもある聖良。聖良には恋がわからない為、なぜ失恋で死んでしまったのか真相を探る途中、恋とは何か、恋とはどうして起こるものなのか、段々と分からなくなる。色々と知っていくうちに恋を学び，菜々子の真相も知っていく、、。 これは泣けました。途中で恋とはなにか全くわからなくなってしまいましたが、最後ちょっとだけ本当の意味がわかったような気がします。ミステリーと恋が混ざってて読み終えたあとの余韻がすごかったですーーー。2022/06/16
なみ
11
幼馴染みである菜々子の死の真相を探るため、高校生の聖良が恋を知ろうとする話。 聖良のことが好きな青井や、菜々子と付き合っていた三原と関わりながら、聖良がたどり着いた結末は──。 他人を通して恋の切なさや痛みを知っていく、聖良の心情描写がすごく良かったです。 "「ねぇ、恋って死にたくなるほど苦しいものなの？」"2020/05/31
ななえ
4
恋愛感情を持たない女子高生の物語。 主人公の聖良が冷静というか、悪い意味ではなく温度のない語り口なので読みやすかったです。 地の文は癖がなくサラッとしているので読みやすかったです。ただ欲しいところに欲しい説明をちりばめてくれているので、説明不足感はありませんでした。 恋愛感情を持たない聖良だからこそ「恋とは？」という問いを痛いくらい真剣に掘り下げています。 たしかになんとなく恋って世間ではイメージが完成されており、その解釈の違いは論じても、改めて恋そのものを考えることはなかったかも、と思い新鮮でした。2021/09/14
なまえはまだない
2
聖良ちゃんと青井くんの掛け合いが好きです🫶🏻 奈々子ちゃんの青井くんへの失恋後の吹っ切れ方が聖良ちゃんとのイメージと違って最後のページを読んでもう一度最初から読み直したくなりました ᴛ ᴛ2024/01/03
