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内容説明
国を挙げて推進されてきたクールジャパン政策だが、税金の無駄遣いや公的資金投資の失敗が相次いでいる。とりわけ悲惨なのが映画産業で、全く成果を上げられないどころか50億円近い赤字を垂れ流す壊滅的な状況だ。巨匠ヴィム・ヴェンダースからの言葉をきっかけにこの問題を長年追いかけてきた映画プロデューサーが、元凶である官民の癒着と不正を暴くとともに、世界各国の成功例を基に、あるべき政策を提言する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
97
新書本なのに422ページ。何事か!と思えるぐらいの厚さ。中身を見たら官製映画会社の体たらくがこれでもかと書き連ねられている。よくぞここまで調べらたという筆者の執念を感じる。一部の国家公務員は過労死するほどの長時間で働いていると聞くが、官僚の無謬性を取り繕って壮大な無駄をしているからそうなるんじゃないかと勘ぐってしまう。真面目に行政を執行している公務員の人には申し訳ないが、民間ビジネスに官を立ち入らせてはダメということをひしひしと感じた。2020/07/17
おかむら
36
なぜ日本の映画やドラマが全世界でヒットしないのか、なぜハリウッド映画は日本でロケしてくんないのかという疑問がこれを読むと、なるほどこりゃダメだわ!と大いに納得&ガッカリ。経産省のクールジャパン政策のことごとくの的外れ感(カンヌ映画祭における赤っ恥感たるや!)に呆れ、今のGOTOにも通ずる、政権に近い大企業だけが儲かる仕組みのカラクリに怒り! 映画好きの人は新書にしては分厚いし役人用語が多くてやや疲れるけども是非読んでいただきたい。経産省の不正という新聞がやるべき調査報道を著者は個人でやり遂げたのもすごい!2020/11/04
更紗蝦
28
映画業界に携わる者ならではの視点で、クールジャパン政策の制度的・組織的な腐敗を指摘し、経済産業省が公的資金を搾取している実態を明らかにしています。間接補助金が不透明かつ非効率的にごり押しされ、現場で働く「人」に1円たりとも向けられない状況は、「GoToキャンペーン」と共通しており、問題は映画業界にとどまらず、あらゆる業界に大なり小なり関わってくることであるという認識が必要でしょう。2020/08/24
garth
26
これは映画の本ではなく、税金の甘い蜜にむらがる虫どもと日本を駄目にする役人どもが、いかにそれを食い物にして恥じないかを告発する本である。昨今の給付金中抜き問題とまったく同じことがおこなわれている。2020/06/20
ゲオルギオ・ハーン
24
アニメや映画産業に関係する経産省の杜撰な取組みを解説した一冊。22億円もの税金を失った株式会社ANEWに始まる。製作現場でも、ロケ地にも金は落ちず、ただただ天下りや出向した経産省職員や官僚、海外の関係者に多額の給与と自由に経費を使わせていた。2010年に設立し、2017年にただ同然で身売りするまで何一つ作品を完成させられなかった(7つの企画中一番進んだものでも脚本だけ完成、監督すら未決定)。著者の資料開示請求についても税金を使って設立しているのに株式会社なので、と開示を断るというのは憤りを覚えた。2021/12/04
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