内容説明
「青鯖が空に浮かんだような顔」「オタンチン・パレオロガス」……明治・大正・昭和に活躍した文豪が放った皮肉・罵倒の語彙とは。文豪たちの人間くささが垣間見えると同時に、悪態をつくときに放たれる言葉に不思議と奥深さも感じられる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
52
こういう文豪ものについ手を出してしまい、後で後悔するといういつものパターン。谷崎と佐藤春夫の細君譲渡事件とか、太宰と中原の中傷合戦とかは定番だが、本書は、所々、通説と違う解釈があってアレっとなる。特に、泉鏡花が尾崎紅葉に怨みを抱いていたとの説は驚き。鏡花の紅葉への崇拝は、人格的に問題の多い文豪たちの中での数少ない心温まるエピソードだけに、ショック。尤も、悪態のゴシップの数々を論うより、倉田百三の「出家とその弟子」に感激したロマン・ロランから直接手紙が来たというような話の方が、読んでいて余程うれしいものだ。2020/07/10
まゆまゆ
17
怒りや嘆き、皮肉…ああ、皆さんイライラしておられる😂 文豪も一人の人間、そりゃあ悪態の一つもつきたくなるでしょう…誰が誰についたか、どんな状況だったのかだけではなく、作品の引用がたくさんあって、読みたい本がイッキに増えた…それに加え、山口さんの漢字の解説もあるので盛りだくさんでした。文豪っていいな。2020/12/24
myc0
15
菊池寛の問題児感がすごい(笑)今の作家はあまり作家間で交流のあるイメージがないけれど、昔はなんだか楽しそう。壇一雄の酔っぱらいエピソードが意味わからなくて、大好き。感情が高ぶって「オタンチン、パレオロガス」って叫んじゃう夏目漱石も大好き。怒りのあまり、意味の分からない罵り言葉出ちゃうの、すごい分かる。オタンチン、パレオロガス! 2020/08/22
魚京童!
11
わるぐちを言うのはとても愉しい。過去のことをぐちぐちと連ねる愉しさに勝るものはないものでもない。2023/03/25
ネギっ子gen
9
「小説に見込まれ」(by尾崎紅葉)、前人未踏の苦闘の道を進んだ文豪と呼ばれる人々。<言葉を武器に戦う作家たちの語彙には、血と汗に満ちた力が宿っている>として、<古き時代の変な文豪たちの悪態を紹介しつつ、彼等が使う語彙のおもしろさなどについて解説>した本。また、<言葉が人を創っているとするならば、彼等の変な行動の中で使われる語彙を理解すれば、あるいは彼等の本質に迫ることにも/彼等が使った語彙を身につけることができれば、マニュアル化して閉塞化する社会を、爆発的におもしろくすることにも繋がるのではないか>と。⇒2020/07/04




